特集 つなぐ教師の教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教師1人ではハートもスキルも伸びない

 生徒に学力が付く指導というのは、「なぜ学ぶのか」ということを生徒が理解できる指導、つまり、学びの動機付けをうまくできる指導だと思います。ですから、私自身は、知識を付ける指導と共に、「受け身でない授業」「一方通行ではない授業」「考える授業」「発言する授業」などを取り入れています。大事なのは、授業にさまざまな工夫、興味深い扱い、深い内容などがあり、授業を通して生徒の心の琴線に触れる形で学ぶことへの動機付けがなされることです。
 私は、「どうしたら授業で生徒を学びへと動機付けできるか」を常に考えながら、指導法を磨いてきました。ほかの先生のちょっとしたスキルでも自分のものにしたいと思い、公開授業や研究会にはできるだけ参加してきました。
 スキルアップの上で、同僚の存在は大きかったです。若いころの勤務校の同僚とは、さまざまな情報を交換し合い、共同でグループテーマ学習発表を行う授業をしました。スピーチやグループ討論を指導する基本的なスキルは、あのころに身に付いたと思います。
 今の現場には、同僚との「共同」や「協働」ができる機会が、非常に限られていると思います。授業を見せ合うのが難しいという雰囲気は、変えていく必要があると思います。ハートと共にスキルを伸ばすために、互いに学び合いながら、共有できる関係を築き上げていくことが不可欠です。

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