指導変革の軌跡 茨城県立古河第三高校
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 8/15 前ページ  次ページ

年間1000時間を目標に学習時間調査を毎日実施

 06年度には、家庭学習時間の調査を土日や年末年始の休みに関係なく毎日行った。特徴は、担任の方針によって書式を変更できる点だ。藤田先生のクラスでは、3教科それぞれの学習時間を記入させ、教科のバランスや学習時間総数をチェックする。ねらいは学習時間の増加にあり、年間1000時間が目標だ。一方、高橋先生のクラスでは、学習内容には触れず、起床・食事・就寝などの時間を記入させ、規則正しい生活習慣の定着を促す(図2)。いずれも生徒の負担を抑えながら、情報を得るための工夫だ。
 クラス全体・学年全体の学習時間は、毎週、生徒に学習記録を基にマークシートに転記させ、進路指導部が集計。一覧を教師全員に配付する。生徒個々の学習状況も把握でき、1日の学習時間が60分未満の生徒は自動的に赤字で表示される。調査の目的は、学習時間を定期的に把握し、家庭学習時間を増やすことだったが、進路指導部副部長の野村和男先生は、生徒の精神面の把握にも役立っていると話す。
 「毎日120分学習していた生徒が、急に60、50分と減ることがあります。悩みがあるのではないかと、担任はすぐに面談をしたり、声かけをしたりして対処できます。生徒の変化は、特定時期の調査だけではわかりません。学習時間だけでも継続して調査すれば、生徒の内面的な変化を把握できることは新たな発見でした」

図2

  PAGE 8/15 前ページ 次ページ