地方公立高校の挑戦
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学・専門学校・就職の進路指導に全教師が連携

 高校からは外進生(高校入試による入学者)1学級分が加わるが、学習習慣が身に付いた内進生と外進生の学力の差は大きく、別学級だ。高2からは内進・外進にかかわらず進学クラスと就職クラスに分かれ、教科書とカリキュラムも別となり、進路指導も本格化する。
 生徒の志望は、大学、専門学校、就職が3分の1ずつとなり、指導は難しい。高校籍の宮入雅史先生は次のように話す。
 「3つのベクトルがある状態で、クラス一斉の進路指導は難しい。担任で役割分担をするなどの工夫が必要です。2人の担任、副担任だけでなく、クラスや学年を超えての協力が重要になります」
 就職は9月、専門学校は10月、推薦入試は11月、12月以降は一般入試とピークがずれるが、時期ごとに全教師が連携して指導にあたっている。

1期生としての自覚が芽生えて

 教師の熱意が伝わったのか、07年度の高3生の中には、大学進学希望者の学習グループができた。高3の10月を過ぎると就職が決まる生徒もいて、学校の雰囲気が浮き足立つこともある。しかし、そのグループは毎日のように、休み時間に問題を出し合い、一緒に学校に残って勉強をした。
 「自分たちが頑張らないと」
 1期生にはそうした自覚が見られた。入学当初、県内初の公立併設型中高一貫校としてマスコミに紹介されたこともあり、1期生とその保護者には「注目されている存在」という意識があったのだろう。
 08年度のセンター試験は19人が受験。教科によっては、平均点が県内の進学校を上回った。これまで志望校に上らなかった難関大に挑む生徒が現れるなど、目的意識の高まりも見られた。1期生の担任を中3から4年間務めた田辺先生は、こう振り返る。
 「1期生担当の教師は皆、何とかして生徒の進路希望をかなえてあげたいという思いを共有していました。大学進学への意識の高い家庭の子どもが入学してきたのも、一つの要因でしょう。そういった生徒と一緒に生活する中で、ほかの生徒も刺激を受けて、目的意識が高まったのだと思います」


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