地方公立高校の挑戦
図神石高原町は広島駅から車で約2時間30分


広島県立油木高校

設立●1922(大正11)
形態●普通科・産業ビジネス科
生徒数●1学年約60名
08年度入試進路実績●08年度進路実績 国公立大は岡山大、島根大、県立広島大などに10名が合格。私立大は立命館大、近畿大、東海大、福山大、広島修道大などに延べ33名が合格。
住所●〒720-1812
広島県神石郡神石高原町油木乙1965
電話●0847-82-0006

Web Site●http://www.
yuki-h.hiroshima-c.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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広島県立油木(ゆき)高校

「どうせ就職」と思い込む生徒を刺激し
より高い目標に導く

町ぐるみによる支援活動がスタート

 広島県立油木高校がある神石高原(じんせきこうげん)町は、中山間地に位置し、人口約1万2000人。65歳以上の割合が4割を超える。主要産業の農林業は低迷し、耕作放棄地()の割合は全国でも高く、地域の経済状況は厳しくなる一方だ。
 地域で唯一の高校となる同校の生徒は、町立中学校4校の出身者が約9割を占める。少子化の影響を受け、生徒数は減少傾向だ。そこで1993年、地域の有力者らが発起人となって「油木高校を育てる会」を発足。04年度に神石高原町による支援プロジェクトが始まった。同町が年間1000万円(現在は年間500万円)を予算化し、大学入試対応の通信衛星授業の導入をはじめ、産業ビジネス科の再生などを財政面で支援する。
 定員割れが続くものの、同校は年々大学合格者数を増やし、08年春の卒業生数52人のうち10人が国公立大に進学(図1)。うち3人は農業を学ぶ産業ビジネス科の生徒だ。国公立大進学率19.2%という、県内の進学指導重点校に匹敵する実績を出した。

  注)過去1年以上、作物を耕作せず、この数年間に再び耕作するはっきりとした意思のない土地のこと
図1
写真
◎後列左から
猪原健二 進路指導部
速見修史 産業ビジネス科、農場長
竹下弘行 進路指導部長
◎前列左から
内田昭洋 進路指導部、1学年主任
藤本  進 校長
藤田知久 広島県立松永高校教頭 (前・油木高校2学年主任)

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