特集 つなぐ教師の教科指導力
金本淳

岐阜県立可児高校

金本 淳

Kanemoto Atsushi
教職歴19年。同校に赴任して3年目。国語担当。08年度の東京大入試研究会で国語を担当。

亀谷みゆき

岐阜県立可児高校

亀谷みゆき

Kamegai Miyuki
教職歴20年。同校に赴任して10年目。英語担当。08年度の東京大入試研究会で英語を担当。

川島ゆかり

岐阜県立可児高校

川島ゆかり

Kawashima Yukari
  教職歴6年。同校に赴任して2年目。数学担当。08年度の岐阜大入試研究会で数学を担当。

関谷十糸子

岐阜県立関高校

関谷十糸子

Sekiya Toshiko
教職歴9年。同校に赴任して4年目。数学担当。08年度の難関大入試問題教科別研究会で数学を担当。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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ベテラン教師の難関大対策の授業に学ぶ

 東大・京大研究会は、3年生担当の教師が講師となり、研究会の準備が普段の授業に生かせるようにしている。08年度に東京大の国語を担当した可児高校の金本淳先生は、個人・学校の両面で難関大対応の指導法が蓄積できていると評価する。
 「本校にはベテラン教師が行ってきた講義の資料があります。自分でも過去問を解き分析しましたが、過去の講義に自分なりの指導を加えて講義を組み立てました。実際に授業をすると、つまずきやすい箇所は過去と同じで、求められている指導は本質的に変わらないと実感しました」
 東京大英語を担当した可児高校の亀谷みゆき先生は、研究会での成果を普段の授業に生かしていると話す。
 「英語では誤答分析を講義で解説する手法が定着し、回を重ねるたびに誤答パターンが蓄積されています。この分析を基に各学年で『今付けさせたい力』を把握し、普段の授業でもこれを生かして指導しています」
 ベテランが講師を務める東大・京大研究会は、見学する教師の研修の場としての側面も強い。可児高校の川島ゆかり先生は、普段の授業に生かせることが多いと話す。
 「指導力のある先生の授業を見ることは、それだけで勉強になります。誤答をしやすい箇所がわかれば、授業で伝えることもできます」
 関高校の関谷十糸子先生は自分の指導を振り返る機会になったと話す。
 「講義は、難問でも数式の流れを示しながら生徒に考えさせ、自ら気づかせる展開でした。『わからないから説明する』のではなく『要所でヒントを与えて考えさせる』ことが重要で、私の授業は教えすぎていると気づきました。自分の指導と比べて自己嫌悪に陥ることもありますが、一つでも吸収できるようにすばらしい授業を見ることは大切だと思います」

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