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総合学習「桐の葉」で課題解決能力を育成する
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大学進学への動機付けに一役買っている「桐蔭総合大学」だが、「これだけでは効果は限定的です。いろいろな取り組みを積み重ねて、初めて意味が出てきます」と、嶋田先生は指摘する。
単発の出張講義だけでは、生徒の意欲は続かない。そこで、「桐蔭総合大学」と共に力を入れるのが、「総合的な学習の時間(以下、総合学習)」で行う「桐の葉」だ。大学・学部・職業研究やプレゼンテーション、ディベートなどを通して教科横断的な課題発見・解決力を身に付けるのがねらいで、03年度に始めた。「桐蔭総合大学」で大学進学の意欲を高め、「桐の葉」で進学後あるいは社会で必要な問題解決能力を身に付ける。取り組みの相乗効果によって、大学進学への意欲を一層、喚起しようというわけだ。02年度の総合学習の準備委員会のメンバーだった歌先生は、次のようなねらいを説明する。
「03年度の学区撤廃で、入学生の気質が変わると予測していましたが、どのような生徒だとしても、単に教科の知識に秀でるだけではだめだと考えました。本当に求められるのは、知識と知識をつないで活用できる『総合知』だからです。卒業後の社会にも目を向けてほしいと思い、総合学習の中身を検討しました」
どの担任も一定レベルで指導できるよう、授業では学校独自に作成したテキストを用いる。1年生用『桐の葉Ⅰ』は、職業・大学・学部学科に関する発表を通して知識の深化と視野の拡大を図り、レポート作成、プレゼンテーション技術を磨く。2年生用『桐の葉Ⅱ』では、Ⅰを発展させ、ディベートと小論文の技術を高める。
生徒には補完教材として『桐の葉ノート』も配付する。日付や升目が入っているだけだが、生徒の知見を広げると共に、読解力を高めるための仕掛けがある。生徒は毎日、新聞のコラムを読み、気に入ったものをノートに貼る。1年生の最初は週1枚だが、7週目から2枚に増やし、13週目からコラムを貼るだけでなく200字以内で要約を書かせ、22週目から社説に挑戦させる(図3)。徐々に新聞に慣れさせ、社会に対する視野を広げさせるのがねらいだ。「新聞から得る知見を、『桐の葉』のディベートや小論文、更には大学入試にも生かしてほしい」と、歌先生は期待する。 |
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