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担任会での目線合わせが取り組みの形骸化を防ぐ
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「桐の葉」の取り組みを通した生徒の変化を、1学年主任の宇治田元則先生は、「一方的に教師から与えられるのではなく、まず自分たちで調べてみる習慣が身に付いてきました」と指摘する。顕著なのは発信力の向上だ。
「発話のタイミングやプレゼンテーションソフトの使い方など、プレゼンテーションのスキルが高まると共に、積極的に自分をアピールできる生徒が増えたように感じます」(井松先生)
これらの成果は、「桐蔭総合大学」と同様、取り組みを形骸化させずに活性化し続けてきたからだ。その秘訣はどこにあるのだろうか。
同校では、週1回、各学年が必ず担任会を開いて進捗状況を報告し、改善点を話し合う。前回の生徒の様子を踏まえて次はどのように活動させるか、前年度の状況を振り返って今年はどのように実施するかなど、活動の内容や方法を担任団が確認しながら進めている。「桐の葉」の教師用テキストはデータで管理し、担任会で行事の日程の変更や改善案が出た場合は、その都度、反映するようにしている。
「行事のタイミングや生徒の気質など、その年の状況を踏まえて取り組みを見直すことによって、担任団は取り組みの意義を再確認できます。成果や課題を担任間で共有する場を確保することが、取り組みを形骸化させない秘訣だと思います。担任会の日程を年度当初に確保することもポイントです」と井松先生は説明する。
十数年来の改革により、往年の輝きを取り戻した桐蔭高校。しかし、教師は慢心せず、改革当初と変わらない意識を持ち続けている。09年度入試から、和歌山県の公立高校は前・後期選抜から一般選抜に一本化される。高校入学者選抜状況がどのように変わるか、高校関係者にはまだ読めていないという(08年10月現在)。
「今後も環境変化の波は絶えず押し寄せてきます。変化に対応できる柔軟性を確保しつつ、一方で少々の変化に左右されない堅固な指導体制を構築していきたい。取り組みの不断の見直しこそが、現在の好調を維持する唯一の方法だと思っています」(小川敬文校長) |
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