指導変革の軌跡 北海道札幌旭丘高校
北海道札幌旭丘高校

北海道札幌旭丘高校

◎札幌市立の全日制普通科として最初に設立された高校。教育目標は「真理の追究・進取積極・自己実現」。01年度に全室バリアフリーの新校舎が竣工。04年度には北海道初の全日制普通科単位制高校へ移行した。「21世紀『進学ADVANCE』構想」を掲げ、大学生に求められる資質の養成に力を入れる。

設立●1958(昭和33)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約320名

08年度進路実績●国公立大には北海道大72名、東北大3名、東京大1名、一橋大2名、京都大2名、札幌医科大8名、札幌市立大6名など192名が合格。私立大には、青山学院大、慶應義塾大、早稲田大、同志社大、立命館大など延べ379名が合格。

住所●〒064-8535 北海道札幌市中央区旭ヶ丘6-5-18

TEL●011-561-1221

WEB PAGE●http://www.
asahigaoka-h.sapporo-c.ed.jp


VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡113


北海道札幌旭丘高校「複数担任制による単位制高校」

2人の担任による手厚い指導が
生徒の自主性と自立心を引き出した

● 実践のポイント
科目選択を通して、自らの進路を何度も考えさせる
担任1人当たり生徒20人とし、きめ細かくサポート
探究活動を通して大学進学後に求められる資質を育てる

教師の思いから生まれた単位制と複数担任制への道

 北海道札幌旭丘高校の職員室は、単位制に移行した2004年以来、ガイダンス週間になると履修登録のためのアドバイスを求める生徒でごった返す。担任と生徒がカウンター越しに向き合い、科目選択や2年次で所属するゼミについて相談している。担任は、パソコンで生徒の情報を見ながら、入試データなどと照らし合わせてアドバイスをする。
 同校が単位制に移行したきっかけは、1999年に札幌市教育委員会が市立高校の在り方を考えるワーキンググループを組織したことだ。少子化が進む中、すべての市立高校が必要なのか。そうした問題提起を受けて、各市立高校は学校の特色を出すべく改革に着手した。
 外部環境の変化に加え、学校内の課題もあった。大学進学実績の伸び悩みや、服装の乱れ、1日に70~80人はいる遅刻者が問題となり、改革を求める声は日増しに大きくなっていた。当時、同校の教頭だった宮浦俊明校長は、次のように振り返る。
 「大切なのは大学進学そのものではなく、主体的に人生の目標を見つけ、進むべき道を自分で歩く力を身に付けさせることです。生徒の自主性と自立を促すために、単位制高校としての道を模索することになりました」


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