指導変革の軌跡 北海道札幌旭丘高校
宮浦俊明

▲北海道札幌旭丘高校校長

宮浦俊明

Miyaura Toshiaki
教職歴32年。同校に赴任して1年目。「生徒一人ひとりが、幸せになる力を身に付けて卒業してほしい」

成田英行

▲北海道札幌旭丘高校

成田英行

Narita Hideyuki
教職歴28年。同校に赴任して11年目。総務部長。「高い志を持って生き生きと人生を送れる生徒を育てたい」

川瀬雅之

▲北海道札幌旭丘高校

川瀬雅之

Kawase Masayuki
教職歴26年。同校に赴任して7年目。進路部長。「生徒には『夢はでっかく、根は深く』という心意気を持ってほしい」

横関直幸

▲北海道札幌旭丘高校

横関直幸

Yokozeki Naoyuki
教職歴22年。同校に赴任して5年目。2年次主任。「モットーは『できるならどこまでも、つらいなら無理せずに』」

横山朋美

▲北海道札幌旭丘高校

横山朋美

Yokoyama Tomomi
教職歴11年。同校に赴任して3年目。2年次担任。「生徒がよりよい科目選択をできるようしっかり支援したい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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科目選択を通して興味・関心を明確にさせる

 02年度、同校は単位制準備委員会を組織し、具体的な単位制のシステムの整備、シラバスや年間スケジュールの作成などに取りかかった。議事録はきちんと取り、同じ議論を繰り返さず、確実に前進するようにした。この時点では、単位制が学校にどのような変化をもたらすのかを把握していた教師は少なかった。総務部長の成田英行先生は、当時を次のように振り返る。
 「単位制になれば教師の加配を受けられると、最初は利点ばかりに目が向いていました。準備を進めるうちに、『授業数は増える』『生徒への面談を密にしなければならない』などの負担も大きいとわかりました。しかし、私たちには生徒の自立を促すためには単位制が有効だという確信がありました。不安を抱えながらも『とにかく進めよう』という先生方の決意が、改革を推し進めました」
図1

 同校の教育課程の特徴は選択科目の多さにある(図1)。その組み合わせは、2年次で約80通り、3年次で約290通りにもなる。特に「選択科目群Ⅱ」には多種多様な科目を設けた。担当教師が作ったプリントで授業を行う科目も多く、担当教師の異動後は継続が難しいという課題がある。現在、科目の吟味を進めているが、生徒の興味・関心を喚起する科目を多数用意する姿勢は維持する。
 「単位制にする意義は、生徒自身が『選んだ自分』に気づくことにあります。興味・関心が明確化し、最終的な進路選択の動機付けにもなります。進路先とのミスマッチを防ぎ、進学後の意欲的な学びにもつながると考えています」(成田先生)


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