前号では、生徒の学びの意欲を高めるための体験型学習の重要性と取り組みのポイントを取り上げた。 今回は、国内の有力企業の協力で実施される「キャリア・エデュケーション・プログラム(CEP)」の実践を紹介する。 実践活動からわかってきた体験型学習の教育効果を高めるための3つのポイント「本物の体験」「チーム学習」「発表・評価」で取り組みを整理した。
◎プログラムの概要
首都圏の私立高の4校合同参加による、化粧品メーカーの株式会社コーセーで開催されたプログラム。コーセーの研究施設を見学し、研究者の仕事に触れ、更にグループワークによる活動でこれからの研究者に求められる発想、思考力、柔軟性を体験した。文理選択、学部・学科選択を前にした高校生も、研究者の仕事は実験の繰り返しで、閉じこもった世界だと想像しがちである。しかし実際は、研究者には柔軟な発想力、幅広い文化的教養、更に自ら企画し、周囲を説得するプレゼンテーション能力が求められている。旧来の研究者像から脱却し、発想力・発信力で仕事の可能性を大きく広げる「研究職の今」を、業務や商品開発のエピソードを通してコーセーの若手研究者から直接学ぶことができる、進路選択に直結したプログラムである。