VIEW'S REPORT
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教育効果を 高めるための〈体験型学習〉取り組みのポイント

POINT1 本物の体験

身近な機械の裏側にある「膨大な試行錯誤」を実感する

 このプログラムのクライマックスは、自分たちが作ったロボットが「思い通りに動いた瞬間」である。プログラムを実施した5校では、生徒が歓声を上げ、大いに盛り上がった。ロボットの組み立て実習では、小さなネジ留めや細かな配線に悪戦苦闘し、プログラミング実習では5~6時間をかけてロボットの足の動かし方を試行錯誤した。この過程で、生徒はロボットを動かすために学校で学んだ数学や理科の知識が活用できると気が付いた。 そして、ロボットの単純な動作の裏側には「膨大な試行錯誤」が存在することを実感した。

実社会ならではのコミュニケーションを体験する

 生徒にとって、社会人講師とのコミュニケーションは、重要な学びの機会である。例えば、ロボットの組み立てを講師がチェックする場面。配線に不備があっても、講師は、最初から丁寧に指導せず、生徒が独力で問題を解決するのを待つ。すぐに正解を求めようとする生徒は戸惑いながらも、教師と生徒の「教える―教わる」以外のコミュニケーションがあることを実感した。
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生徒がロボットの足を動かす手順を記録したメモ。記載の数値は、ロボットの足を基準値からどれだけ動かすかを示す

POINT2 チーム学習

「異学年」「男女混合」など チームに多様性をつくる

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ワークシートでロボット組み立て作業を分担(上表はイメージです)

 チーム学習は、3人1組で行った。麻布中学校・高校では中1~高2の異学年で、西武学園文理中学・高校では、男子2人女子1人の男女混合でチームを構成。こうした多様性が、チーム内の役割分担を促した。麻布中学校・高校では、下級生を中心に実作業を行い、上級生はアドバイスをしたり、難しい作業を手伝ったりした。西武学園文理中学・高校では、女子がリーダーシップを発揮することが多かった。授業では目立たない生徒がリーダーシップを発揮するなど、普段の学校生活とは異なる一面が見られ、教師にとっても少なからず驚きがあったようだ。

さまざまな生徒が活躍できる複合的なプログラム構成とする

 ロボットの組み立て実習は、生徒がマニュアルを見て自分たちのペースで行った。マニュアルには作業工程表とワークシートを設け、手順ごとに「作業する人」「確認する人」を分担。また、チームが取り組む課題を「ハードウェア」「ソフトウェア」「デザイン」「プレゼンテーション」という4分野にしたため、各生徒の得意分野を生かす役割分担が自然発生的に生まれた。

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