例えば、「物理Ⅰ・Ⅱ」は現行課程では各3単位でしたが、新課程では「物理基礎」2単位と「物理」4単位になります。現行の「物理Ⅱ」を新課程の「物理」に置き換えた場合、3単位から4単位になりますから、これまで通り1年間で履修させようとすると、授業はかなりハードになります。例えば、2年生で4単位をすべて履修させるのか、あるいは2・3年生で2単位ずつ分けて履修させるのか、生徒の学力や教師の指導体制を踏まえてカリキュラム編成を考えなければなりません。
また、数学・理科は2010年度から先行実施される予定となっています。先行実施をする理由は、中学校では09年度から数学・理科が先行実施されるため、新課程を中学校で3年間学習した生徒が12年度に高校に入学してくるからです(図2)。ほかの教科が現行課程の状態で、数学と理科のみが前倒しとなるカリキュラムをどのように編成するのかも課題となるでしょう。
学校によっては、単位数の増加に伴い、非常勤講師も含め教師の手当てを考える必要に迫られる可能性もあります。標準単位数が3単位から4単位になれば、当然授業時間が増加することになるからです。 |