指導変革の軌跡 福井県立美方高校「取り組みの効果的な導入と改善」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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スタディーサポート検討会で取り組みを見直し続ける

 検討会の第1部は全体会で、各学年の所属する進路指導部の教師がスタディーサポートの分析結果を報告し、質疑応答を行う(図2)。第2部は学年ごとに分科会を開き、具体的な対策を練る。第1部は1時間ほどで終わるが、第2部は具体的な対策を立てるまで続ける。学年の判断で実施できる対策は即実行し、学校としての判断が必要な対策は職員会議を経て実施する。
図2

 検討会を経て実施した取り組みは多い。例えば、07年度の3年生では、スタディーサポート分析の結果、例年より家庭学習時間が少ないとわかり、学習時間記録のノートを作成することにした。それまでプリントで行っていたが、学習時間をノートに記録することで保存性を高め、生徒が長期的に自らの生活を振り返られるようにした。
 新入生宿泊研修に学習合宿の要素を取り入れたのも、スタディーサポートで家庭学習習慣が定着していないとわかったからだ。合宿のねらいはクラスづくり、仲間づくりにあったが、04年度からは学習方法を指導する時間を設けた。国語・数学の予習→授業→復習という流れを実際に体験させ、家庭学習習慣の確立につなげたいとしている。
 家庭学習習慣の定着に利用している「自主学習ノート」も、検討会発の取り組みだ。学習する教科や内容を生徒自身が決めて自由に活用するノートで、丸谷先生の学級で実施していた活動を、検討会の議論を経て全校に広げた。そのほか、3年生の学習合宿の導入、長期休業中の課外活動の改善など、検討会を経て実行に移された取り組みは多数ある。スタディーサポートで課題を把握し、それを今ある取り組みの見直しに役立て、取り組みの形骸化を防ぐ。こうした不断の改善が、進学実績を維持し続ける秘訣といえそうだ。


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