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柱の設定と柔軟性が取り組みを活性化させる
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同校の取り組みの特徴は、進路指導の柱を「面談」と「実力試験」とし、このほかの取り組みは年度によって変えていることだ。鈴木先生はその仕組みを「柔構造」と呼ぶ。
「年度ごとに生徒の成績や課題、気質などは異なります。それを踏まえた指導が大切であると考え、指導内容を柔軟に変えるのが、本校の取り組みの特徴です」
生徒の実態を熟知する学年団が進路指導の中心となり、進路指導部はあくまでもサポート役に徹する。具体的な活動は、毎年、学年団と進路指導部とが随時打ち合わせをして決める。進路指導部が過去に行ったさまざまな行事からプランを提示し、学年団が生徒の特徴を踏まえて取捨選択するという流れだ。例えば、医学部志望の生徒が多い年度には、進路指導部の提案によって、保護者向けの医学部説明会を開催したこともある。
「柔構造」は取り組みの形骸化を防ぐという利点もある。教師の間に、「毎年行っているからする」ではなく、「必要だから行う」という意識が生まれるからだ。教師が目の前の生徒の姿を通して指導内容を検討するようになり、「このような行事をしたい」「このような資料はないか」など、学年団から進路指導部への要望が格段に増えたという。
年度によって指導が異なる場合、進学実績にばらつきが生じるおそれがある。その対策として、「新旧担任会」を実施している。これは、毎年4月、前年度と新年度の3学年担任が一堂に会して情報を共有する場だ。進路指導部が前年度の担任にアンケートを取り、効果の高かった取り組みや反省点、受験動向などを事前にまとめ、それらを基に話し合う。新年度の担任は、会議で得た情報を指導プラン作成の参考にする。この流れの中で時期ごとの悩みや心構えなどを共有する。これにより、初めて3年生を受け持つ教師も安心して指導にあたれるのだ。
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