決勝に進んだのは、神奈川県の私立栄光学園高校と埼玉県立伊奈学園総合高校。出場全チームが見守る中、否定側が無責任な投票の弊害や少年院の更生教育の重要性を鋭く論じれば、肯定側はデータの根拠を求めるというスリリングな論戦が展開された。甲乙つけがたい熱戦だったが、最後は冷静に論陣を張った栄光学園高校が世界大会への切符を手にした。
英語ディベートの意義は、英語を手段として使うことによって、英語スキルが格段に上がると見込める点にある。ただ、大会の意義はそれだけではない。本大会のコンセプトは「Make friends」。ディベートを通じて仲間づくりをすることが最大のねらいだ。
互いの意見を交わす中で、それまで顔も知らなかった生徒同士が知己になる。教室で学んだ英語で外の世界とつながることが、何よりも重要なのである。実際、一試合終えるごとに、生徒同士が名前や連絡先を交換する姿が会場の各所で見られた。閉会式が終わったのちも、多くの生徒が会場に残り、他校の生徒と記念撮影をしたり、健闘をたたえ合ったりする光景が続いた。ディベートを通じて得た達成感、ライバルと心を通わせた経験は、生徒にとって生涯の財産になるだろう。
第4回大会は09年12月に埼玉県で開催予定。更に熱い論戦が繰り広げられることを期待したい。 |
決勝に進んだのは、埼玉県立伊奈学園総合高校(写真右)、栄光学園高校(写真左)。大勢の関係者・来賓の見守る中、リラックスした雰囲気で進められた |
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