私を育てたあの時代、あの出会い

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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先輩教師の言葉

教師の懸命の姿が
生徒を強く育てるのです

鹿児島県ラ・サール高校非常勤講師  岡﨑弘也
 進路指導主任のときは、いきなり私が呼び出すと生徒も不安になるので、偶然廊下で出会ったふりをして、そのまま面談に入ることもありました。だれが担任とかではなく、学年全体で声をかけるようになると生徒はどんどん変わります。ただ、私が面談するときは、できるだけ担任にも同席してもらって、私がどんな面談をするのかをしっかり見てもらいました。それは、若い担任を育てる年長者の責任だと思います。
 進路指導部では、3年間を見通した指導計画を立て、生徒に「自分はどんな分野で社会貢献したいか」を考えさせました。生徒が夢を描いたのだから、教師は「何をどれだけ伸ばすか」覚悟しなければならない。だから、先生方に「生徒の成績を何点上げられるか」を聞きました。生徒も教師も頑張って、それでもだめだったときは生徒は納得して進路変更ができます。それは決して「逃げ」ではありません。松髙先生はいつも高い目標に果敢に挑戦してくれました。
 3学年主任をやってもらったときは、まわりは年長者ばかり。でも彼はひるまなかった。大したものだと思いました。学年団へのメッセージも、この思いだけは皆に届けようという最低限の保障ですから、実際にはそれぞれの担任が味付けをして生徒に渡せばよい。だから没個性とは全く違いますよね。
 教師自身が「自分はこんな教師でありたい」と情熱を語らなければ、生徒も情熱を持ちません。生徒に勉強させたかったら、教師が勉強しないと。松髙先生が授業で「ここ、もう1回説明し直すから」とこだわりを見せるからこそ、生徒は「この先生は授業を大切にしている」と信頼したのです。
 若かった松髙先生も今は管理職。できる人は人に任せないで自分でやってしまうけれども、それでは人は育たない。彼は人に任せるのが上手です。人に任せ、人を育て、その代わり責任は自分がきっちり取る、それが管理職というもの。松髙先生に贈るオヤジの言葉です。
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