指導変革の軌跡 栃木県立栃木高校「進路検討会」
若杉俊明

▲栃木県立栃木高校

若杉俊明

Wakasugi Toshiaki
教職歴27年。同校に赴任して6年目。進路指導部長。「モットーは、『決して冷めない』『仕事をこなしにかからない』」

渡辺佐知夫

▲栃木県立栃木高校

渡辺佐知夫

Watanabe Sachio
教職歴24年。同校に赴任して12年目。1学年主任。「生徒はみな光るものを持っている。それを自分で見つけてほしい」

殿岡宏之

▲栃木県立栃木高校

殿岡宏之

Tonooka Hiroyuki
教職歴23年。同校に赴任して6年目。進路指導部副部長。「何にでも積極的に挑戦する生徒を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学難易度表の作成を簡略化し、「すり合わせ」を撤廃する

 従来、進路指導委員会は次の手順で行われてきた(図1)。進路指導委員会の本会議に先立ち、進路指導部が1週間程度かけて、校内模試や過去の入試結果などに基づく学校独自の大学難易度表を作成。それを基に進路指導部、3年担任団がそれぞれ2日間をかけて、生徒一人ひとりの志望校を詳細に検討する。結果は、各担任と進路指導部の各クラス担当(同校では3年生の各クラスに専属の進路指導部員が1~2人つき、担任と二人三脚で受験を乗り切る体制)が、本会議の前日、前々日に方向性の「すり合わせ」を行い、進路指導部、担任団、主要教科の担当者、管理職による本会議に臨む。
図1

 教師がまず切り込んだのは、校内偏差値による大学難易度表の作成方法だ。同校では、長年、過去の入試結果や受験科目の動向を踏まえ、校内模試の校内偏差値による独自の大学・学部・学科の難易度表を作成し、合格可能性を判定している。難易度表には、複数の外部の大学判定などを加味していたが、作業の効率化のため基準を一本化し、情報担当者の負担軽減を図った。
 更に、時間を取っていた「すり合わせ」をやめ、本会議の進め方も変えた。改変前は、1日目に担任、進路指導部員、管理職が、約150人の生徒について1人ずつ検討。2日目は、ほかの生徒分を文系・理系に分けて綿密に検討していた。改変後は、1日目の途中から文理に分かれ、ほぼ2日をかけて詳細に検討することにした。事前会議や「すり合わせ」を省いた分、本会議における生徒一人ひとりの検討にかける時間を十分に確保しようとしたのだ。


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