指導変革の軌跡 福岡県公立古賀竟成館高校
VIEW21[高校版] 新しい進路意識向上のパートナー
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進路ガイダンスの充実で 進路選択の幅を広げる

 学校が落ち着き始めた06年度ごろ、同校は、進路指導の充実に着手した。まず取り組んだのは、生徒・保護者への進路ガイダンスの整備だ。
 「本校の生徒の多くは、大学進学に偏見を抱いていました。大学は自分が行く場所ではない。なぜ大学に行かなければならないのか、行くメリットがない。このような偏見を持つ理由を考えたところ、保護者との会話や友だちからの情報が、生徒の進路選択を大きく左右していると気づきました。親は大学に行かなかったが、今まで立派にやってきた、と。生徒だけではなく、保護者にも進学の大切さを知ってもらい、進路選択の可能性を広げてもらう必要があると考えました」(大枝校長)
 進路ガイダンスは、入学前の合格者登校日、1年生5月、2年生5月と3月の計4回。2年生の3月までに、生徒・保護者の進路意識を広げるのがねらいだ。当日は、保護者が来てよかったと思えるような、豊富な情報・資料を用意する。例えば、08年5月の2年生対象のガイダンスでは、60ページを超える冊子を配付。全国の大学進学率、同校の進路状況、各学部・学科の特徴と選び方、九州地区の大学推薦情報など、進路選択に必要な情報を網羅した。
 保護者の全員出席も目指した。欠席した保護者用に別日程を設け、電話をかけて参加を呼びかけた。保護者全員が来るまで、同じ内容を7回実施したこともある。繰り返し呼びかけるうちに、なかなか学校に来なかった保護者も1、2回声をかけるだけで来校するようになった。

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