指導変革の軌跡 鳥取県立倉吉西高校「進学実績向上」
御舩斎紀

▲鳥取県立倉吉西高校教頭

御舩斎紀

Mifune Yoshitada
教職歴24年。同校に赴任して2年目。「人が伸びるには情熱が必要。情熱に限界はない。それを燃やし続けるよう生徒を挑発し続けたい」

稲毛靖

▲鳥取県立倉吉西高校教頭

稲毛靖

Inage Yasushi
教職歴23年。同校に赴任して10年目。「可能性への挑戦を生徒に呼び掛けていきたい」

亀井修平

▲鳥取県立倉吉西高校

亀井修平

Kamei Shuhei
教職歴11年。同校に赴任して4年目。進路指導主事。「当たり前のことを確実に。人よりも先に、人よりも一歩前へ」

新田秀登

▲鳥取県立倉吉西高校

新田秀登

Nitta Hideto
教職歴11年。同校に赴任して4年目。3学年担任。「モットーは『融通無碍(ゆうずうむげ)』。個に応じた指導を心掛けていきたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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知的好奇心を高め生徒の視野を広げる

 転機は07年度に訪れた。横濵純一校長が、学力向上と社会性の育成のための大胆な改革を提示したのだ。「倉西夢きらりアクションプラン」(以下、アクションプラン)だ(図2)。

 「本校の生徒に欠けていたのは、自分の将来をイメージするために必要な知識や体験でした。大きな可能性を秘めているにもかかわらず、安易な進路選択をし、切磋琢磨する機会が少ないために自分に自信が持てないようでした。そこで、本物の学びに触れることによって知的好奇心を高め、幅広い視野を養う必要があると考えました」(横濵校長)
 核となる取り組みは「チャレンジグループ活動」という、「総合的な学習の時間」を使って年8回実施する探究活動だ。全校生徒が学年・クラスの枠を越えて20の講座のいずれかに所属する。講座のテーマは、国際協力、医療、福祉、環境など社会的な課題から、映画研究、食、陶芸など趣味的なものまで幅広く用意した。
  講座では、生徒が決めたテーマごとに5~6人のグループをつくり、調査・研究・発表を行う。必要に応じて、校外でフィールドワークをしたり、識者や専門家を招いての講演も実施する。例えば、「現代の地域政策」という講座では、グループごとに「過疎」「食糧自給率」などの課題を設定。地域の実態を知るために、県庁の職員や農家の方を招いて講演を催した。
  カンボジア支援事業も、生徒の視野を広げる重要な取り組みだ。生徒会が中心となり、書き損じはがきなどを集めて換金。NPO法人に寄付し、井戸掘りや灌漑用水路の整備などに使ってもらう。その際、生徒の代表数人が現地に赴き、帰国後は全校生徒の前で現地の実態や寄付金の活用状況について報告する。
 「現地を訪れてカンボジアの人々の暮らしぶりを知り、進路を変更して国際関係の学部に進んだ生徒がいます。もともと海外で働くという漠然とした希望はありましたが、それだけでは単なる自己満足であり、本当に大切なのは『いかに社会に貢献できるかである』ということに気付いたのです。社会に対しての視野を広げる経験が、進学への意欲や決意を固める結果につながっていると感じます」(亀井先生)
図2

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