アクションプランと並んで、将来への意識を高める上で重要な役割を果たすのが、鳥取大との連携事業だ。7月に同校の生徒のためだけのオープンキャンパスを実施してもらい、3年生の希望者を中心に、実際の大学の講義や特別講義を受けるというもの。夏休みに行われる通常のオープンキャンパスは、学生がキャンパスにいないため、大学の本当の姿は見えにくい。大学での学びやキャンパスライフを体感させるために、通常講義のある7月に実施し、具体的に大学生活をイメージさせようというわけだ。
「本校が目指すのは、地域に貢献できる人材の育成です。スーパーエリートではなくても、地元を愛し、支えていく人材、地域から頼りにされる人材になってもらいたい。鳥取大との連携を通して、生徒に具体的な大学像を描かせると同時に、地元の良さにも目を向けてもらいたいと思っています」(横濵校長)
生徒の学ぶ意欲の向上に加えて、切磋琢磨する集団をつくり上げていったことも、進学実績を支える原動力となった。学年集会などの場で、生徒に目標を高く持つこと、そこに向けて努力することの大切さを繰り返し語り聞かせた。校外模試は、自由参加から全員参加に変えた。
「偏差値40台前半の生徒であれば、多くの教師は国公立大に挑戦させるのをためらうものです。しかし、私たちは生徒の可能性を最後まで信じました。模試の合格判定やセンター試験の自己採点に左右され、ともすれば志望校のランクを落としがちな生徒を、担任や教科担当が激励しながら、意欲を途切れさせずに個別学力試験まで引っ張っていったことが大きかったと思います」(御舩斎紀教頭)
「生徒から求められたものを与える教育ではなく、生徒の可能性を信じ、引き上げる教育に転換したのです」(亀井先生)
|