指導変革の軌跡 鳥取県立倉吉西高校「進学実績向上」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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 推薦入試やAO入試にも、積極的に挑戦させた。それまでは一般入試の受験者の意気をそぐという理由から奨励していなかったが、07年度の3学年から方針を転換。当時、3学年担任だった新田秀登先生が学級に仕掛けたところ、10月に鳥取大のAO入試合格者が出た。  
 「鳥取大AO入試の合格者が出たのを境に学級の雰囲気が一気に変わりました。本校には国公立大を目指す習熟度ホームがありますが、その学級は専門学校進学や就職希望者もいる通常の学級でした。机を並べているクラスメートの合格で、他の生徒も、国公立大は決して手の届かぬ夢ではない、自分も合格できるかもしれないと思ったようです。以前ならば安全に合格できる私立大を目指していた層の生徒が、次々と国公立大志望を表明したのです」(新田先生)
 通常学級の仲間の頑張りが、一般入試での受験を目指す習熟度ホームの生徒を刺激し、受験準備へのスタートを早く切るという、思わぬ効果も表れた。更に、推薦入試やAO入試が不合格でもあきらめず、一般入試で逆転合格を果たした生徒も複数人出てきた。改革前は6割ほどだったセンター試験の受験者数は、08年度入試では71・9%、09年度入試では86・6%に達した。  
 「推薦入試・AO入試受験の奨励によって生徒同士が切磋琢磨し合う集団をつくることができ、『受験は団体戦』という雰囲気を生み出すことができたのです」(新田先生)

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