指導変革の軌跡 鳥取県立倉吉西高校「進学実績向上」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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視野を広げることが学びの姿勢を変え進学実績の向上につながる

  09年度入試も好調を維持し、現役国公立大合格者45人と、2年連続で過去最高を更新した。進学実績の向上に伴い、同校への志願者数は激増し、09年度高校入試での実質競争率は県内の普通科高校の中でトップ。わずか2年の改革で、県下有数の人気校になった。
  「単に進学実績を上げるだけなら、生徒を励ましながら学習量を増やすという方法もあると思います。しかし、本校ではさまざまな角度から生徒の向上心や好奇心を刺激し、学習意欲を高めることによって、進学実績の向上を果たせました。一見、遠回りに見える方法が、かえって生徒の心に火をつけ、潜在能力を引き出すことを、我々教師も今回の改革で改めて気付かされました」(稲毛靖教頭)
  合格実績もさることながら、何よりも教師がうれしく感じているのは、生徒が広い視野を持ち、学びや自分自身の将来と真剣に向き合い、挑戦するようになったことだ。 
  「アクションプランを始めてから、生徒が私たちのアドバイスに素直に耳を傾けるようになってきたと感じます。以前は、わずかな知識や情報だけで進路を決め、一度進路を決めたら絶対に変えないという生徒が少なくありませんでした。しかし、世の中のさまざまな側面を知ることで、自分の視野の狭さに気付き、かえって謙虚な気持ちになったようです。そうした姿勢が入試の結果にもつながっていると思います」(新田先生)
  09年2月、鳥取県高等学校教育審議会の答申では、生徒減を「きめ細かな指導ができる好機」ととらえ、現在の学級数・配置、多様な学科を維持するという方針が示された。これは、同校の改革や成果とも無関係ではないようだ。
  「子どもが減るからといって、安易に学校を統合するだけで、本当に良い学校ができるとは、私には思えません。小さいながらも、それぞれの学校が努力し、火花を散らしながら独自性を出して競い合う方が、中学生の選択肢も広がり、学校の活力も高まるのではないでしょうか。『小規模校でもこれだけできる』ということを、本校の改革で証明できたと思います」(横濵校長)
  一連の改革を通して「やればできる」という思いを強くしたのは、生徒よりもむしろ教師だったのかもしれない。
*今回のテーマに関連する過去の記事:

2007年度 2007年9月号特集「変わる地方国立大」、 ■2006年度 2006年6月号「愛知県立犬山高校」

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