指導変革の軌跡 東京都・私立淑徳巣鴨中学高校
大崎芳樹

▲淑徳巣鴨中学高校

大崎芳樹

Osaki Yoshiki
教職歴・赴任歴共に24年。進路指導部長。「成功するために考え、それに向けて行動することで『勝ち運』をつかむことが大切と思い、指導しています」

橋本恭

▲淑徳巣鴨中学高校

橋本恭

Hashimoto Takashi
教職歴・赴任歴共に17年。進路情報主任。「悩み苦しみ、格闘した分だけ人間は成長することを、生徒に伝えていきたい」

鳥飼尊文

▲淑徳巣鴨中学高校

鳥飼尊文

Torikai Takafumi
教職歴11年。同校に赴任して8年目。学習指導委員。「生徒一人ひとりを大切にしたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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易しい入試問題で生徒に挑戦する意欲を持たせる

 研究するのは、国・地歴・公民・数・理・英。大学は「生徒に行かせたい」という基準で学習指導委員会が選び、取り上げる学部・学科、問題は各教科の担当者が決める。
 05年度の導入当初は、教科内で輪番で担当し、月に1、2回、入試問題を小問単位で選び、「大学入試問題研究通信」として1~3年生の全校生徒に配布していた。しかし、作成の手間やコスト面の問題があり、08年度に冊子形式に改めた(図1)。
 作成の手順は次の通り。夏休み前に教科内で教師一人ひとりに大学・学部を割り振り、取り上げる学部の入試問題を夏休み中に研究してくる。分析結果とオリジナルの解答・解説は9月中に校内のサーバに集約し、印刷業者に印刷を依頼。校正刷りを各教科で回覧して誤りがないか確認して、11月ごろに発刊、生徒全員に配布する。問題分析の構成は、各科目とも基本的に「出題傾向」「各学年で習う問題」「頻出問題」「対策とアドバイス」としている。
 どの大学を担当するかは、基本的には立候補、あるいは教師の出身大学を考慮して決めるが、例えば数学科では、毎回異なる大学の担当になるように割り振っている。学部・学科については、その大学の入試問題を特徴付けているものから選ぶ。生徒に自信を付けさせるという意味で、あえて易しい問題を取り上げる場合もあると、学習指導委員の鳥飼尊文先生は説明する。

「数学科では、1年生でも解ける問題をあえて選び、冊子として配布するだけでなく、その問題に授業で取り組ませています。1年生でも難関大の問題が解ければ、自分も合格できるのではないかという自信につながると思うからです。こうした指導の積み重ねを通して、偏差値やイメージだけではなく、実際の入試問題も志望校を決める際の判断材料になっていくことを期待しています」
図1『大学入試問題研究』の東京大・数学と化学(*)
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図1
*解答・解説は、淑徳巣鴨中学高校のオリジナルのもので、東京大が公表したものではありません

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