特集)自立を支える「学校」と「家庭」の連携

埼玉県立川越女子高校

◎教養と基礎的知識・技能を身に付け、自主自立の精神に満ちた人間の育成を目指す。07年度の現役合格率は77%。自学自習を重視し、学習室はほぼ1年中開放している。06年度にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、全校体制で事業を推進中。

設立●高校:1911(明治44)年

形態●全日制/普通科/女子

生徒数(1学年)●360名

09年度入試合格実績(現浪計)●国公立大は東北大、筑波大、埼玉大、お茶の水女子大、東京学芸大、一橋大などに92人が合格。私立大は、慶應義塾大、法政大、明治大、立教大、早稲田大などに延べ1055人が合格。

住所●〒350-0041  埼玉県川越市六軒町1-23

TEL●049-222-3511

WEB PAGE●http://www.
kawagoejoshi-h.spec.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例1】埼玉県立川越女子高校

「保護者向け進路勉強会」で、
現状安住志向を打破

現状に満足しがちな保護者の意識を変えようと、
埼玉県立川越女子高校は、保護者を対象とした進路勉強会を
年2回開催し、学年に応じた情報提供をしている。

「目指す川女に合格!」高校入学に満足する生徒と保護者

 埼玉県立川越女子高校は、約100年の伝統を誇る県内屈指の進学校だ。県内の女子中学生があこがれる高校の一つであり、通学に不便な地域からでも同校を目指す生徒は少なくない。それだけに、合格しただけで満足してしまう生徒が多く、生徒の意欲向上が最大の課題と、進路指導主任の伊藤彰男先生は話す。
 「学校行事や部活動は楽しく、人間関係も良いために、生徒は『楽しく充実した高校生活を送ることが第一』という気持ちが強いと思います。大学受験においても、たとえ合格すれすれの学力であっても自分の可能性にかけて挑戦をしよう、という意識は希薄です。そのため、生徒の意識をいかに高校卒業後に向けさせ、上を目指すように刺激を与えるかが、進路指導上の大きな課題です」
 保護者も生徒同様に現状安住志向である。「川女に入れば安心」「親としての責任を果たした」という意識が強く、楽しく学校生活を送る子どもの姿を見るだけで満足してしまう保護者が多いという。大学進学に関しても「学校にお任せします」という姿勢で、「合格できる大学ならどこでもよい」「プレッシャーに弱いので、あまり無理をさせないでほしい」と言う保護者もいる。
 子どもの将来を「学校にお任せします」という保護者は、受験が近づくとおろおろしてしまい、子どもに余計な動揺を与えてしまう場合が多いという。また一方では、子どもが「生物学を学びたい」というのに、「農学部はやめてほしい」などのような偏ったイメージで学部・学科を判断している場合もあるという。保護者には、大学や入試に対する正しい知識を持ってもらい、学校の指導方針と同じ目線で生徒を支援してもらうと共に、生徒には、更に上を目指す意識を持たせるような働き掛けが必要だった。

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