特集)自立を支える「学校」と「家庭」の連携
新井良二

▲埼玉県立川越女子高校教頭

新井良二

Arai Ryoji
教職歴31年。同校に赴任して2年目。「生徒の可能性を広げられる学校をつくりたい」

伊藤彰男

▲埼玉県立川越女子高校

伊藤彰男

Ito Akio
教職歴32年。同校に赴任して11年目。進路指導主任。「生徒の隠れた能力を引き出したい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「川女はゴールではない」と保護者に強く意識させる

 現状安住志向の保護者に対して正しい情報を提供し、進路の関心を高めようと始められたのが、「保護者のための進路勉強会」だ。1、2年次では各2回、3年次では1回、保護者に学校に集まってもらい、時期に応じて、生徒が置かれた状況と課題を伝える。
 1年次の進路勉強会は、5月上旬と2月下旬に開く。入学して1か月後に行う5月の勉強会では、進路指導の方針を伝え、生徒が入学直後に陥りがちな状況を示し、そうならないように注意を促す。最も強調するのは、中学時代に成績が上位でも、高校では下位に甘んじることがあるという点だ。最初の定期考査で思うような結果が得られなくても、子どもの気持ちが折れてしまわないよう、保護者に支援をお願いする
 また、この勉強会は、保護者に「川女はゴールではない」ということを強く意識させる場でもある。その年に卒業した3年生の大学進学実績を示し、学習習慣の確立や基礎学力の定着の重要性を訴える。
 1年生2月の勉強会では、入学後の生徒の様子、見え始めた課題などを伝える。「部活動にのめり込みすぎている」「家庭での学習習慣が身に付いていない」といった課題を整理し、2年生に向けて軌道修正を図るように促す。子どもは楽しく高校生活を送っていると伝えて安心させつつも、中だるみに陥らないよう気持ちを引き締めてもらうことがポイントだ。
【図 「保護者のための進路勉強会」資料(抜粋)】
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1年生5月の進路勉強会の資料(抜粋)

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