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すべての教師が当事者意識を持ってこそ学校は動く
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「6年制委員会」の時代からすべての教師に門戸を開いてきた結果、若手教師が発言しやすい雰囲気となった。この財産は「学習会」にも引き継がれている。00年に赴任した谷川譲二先生は、赴任1年目から参加した。
「佐々木校長から『ぜひ参加して、意見を聞かせてほしい』という呼び掛けがありました。常勤講師で勤務1年目の私に何ができるのかと戸惑いましたが、同期の2人と『6年制委員会』に参加しました。委員会で率直に思いをぶつけ合い、学校をどうしたいのか意見を戦わせる先生方の姿に、驚かずにはいられませんでした。更には、若手の我々の意見にもしっかり耳を傾けてくれる。『マニュアル通りに業務をこなすだけの学校ではない、現場の先生方の思いが学校を動かしている』と肌で感じました。何度か回数を重ねるうちに、私も何とか発言できるようになっていきました。意見を述べる度に少しずつ自分が主体的になっていき、学校を思う気持ちが強くなっていくのを感じました」
07年には「学習会」から「若手会」が生まれ、20~30代の教師も組織運営を経験するようになった。「難関大の合格実績を上げるためにはどうすればよいか」「生徒募集を安定させるために何が必要か」などのテーマに挑み続けている。
「若手会」の提案が、取り組みの柱となったケースもある。「3つのサイクル学習」だ。当初、管理職は、弱点克服によって小さな成功体験を積み重ね、自己肯定感を高める学習法として、「予習→授業→復習」を徹底し、「授業→週末課題→確認テスト」という1週間単位で理解度を確認する「1週間のサイクル学習」を提案した。これに、「若手会」は新たな工夫を加えた。定期考査後に「テスト返却・解説→定期考査と同じ内容のミニ考査→フィードバック講習」という「考査サイクル」を行い、授業サイクル、1週間のサイクル学習に組み込むという内容だった。前学習統括委員長である吉村俊介教頭は、若手教師の動きを次のように評価する。
「現場の先生から積極的に意見が出されるのは、『6年制委員会』で培った下地があるからです。進学実績向上の改革に着手し始めた頃は、数人の進路のエキスパートの先生が、その他の教師を引っ張っていけば十分だという声もありました。しかし、私たちはそうした方法は取りませんでした。すべての教師が主体的に学校運営に参加し、当事者意識を持ってこそ、活力ある学校になると確信していたからです。『学習会』や『若手会』を通して、教師は自信を持って発言し、行動できるようになりました。教師の『育ちの場』として、本校にはなくてはならない場になっているのです」
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