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地域で働く人が地元の魅力や課題、生徒への期待を話す
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「地元への意識付け」といっても、生徒が地元の魅力や課題そのものを知らなければ、地元へのこだわりも問題意識もわかない。そこで、地域を知るための進路学習や学校行事を積極的に取り入れた。
核となる取り組みは「総合的な学習の時間」だ。1年次は「地域を知る」をテーマに、地元の産業や特産品、福祉などについて学ぶ。2年次は、インターンシップや職場体験、北上市内企業見学会などの進路学習を行い、3年次は、西和賀町で働く卒業生訪問、町内企業見学会や企業説明会を行う。更に、生徒の進路希望に応じて、教師になりたいという生徒には、出身小学校で職場体験をさせたり、医療・看護系を目指す生徒には、地元の病院を訪問させたり、教師がきめ細かく働き掛ける。町内の企業説明会では、病院や福祉施設、役場職員なども招き、地域の実情を教えてもらう。
「3年生の6月に行う町内の企業説明会では、そこで働く方々が、地域の現状や課題、思いなどを生徒に熱く語ってくれます。役場で働く人は『大学で○○を学んできて地元の活性化のために生かしてほしい』、病院の方は『看護師や助産師の資格を取り、町に戻ってきてほしい』など、生徒に対する期待や若い人材の必要性を話してくれます。生徒は、進学、就職に関係なく、『地元のために』という使命感を高め、その後の大学入試や就職試験に臨んでいくのです」(瀬川先生)
一連の取り組みを通して、生徒が学ぶのは、地元の魅力や課題だけではない。
「本校には、中学時代に十分には手を掛けられないまま送り出されてきた生徒が多くいます。そこで、私たちは、進路行事や面接講座、小論文講座、長期休暇中の課外講座など、多くのプログラムを用意し、教師が徹底的に生徒一人ひとりにかかわります。外部講師の来校も多く、企業を訪問する際は西和賀町がバスをチャーターしてくれるなど、自治体や地域の全面的な支援もあります。徹底的に手を掛けられることで、生徒に『自分たちは大事にされている』という意識が芽生え、前向きに進路に取り組むようになるのです」(瀬川先生)
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