生きたデータの徹底活用 「3年生0学期」の教師の姿勢、生徒への意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
授業や課題、学年集会で5教科を意識付ける
負担感が大きい5教科型にスムーズに転換させるためには、生徒がその意義や思いを納得し共感することが鍵になる。地歴・公民、理科の授業ごとに基本演習課題を与えて着実に基礎力を定着させたり、学年集会でそれぞれの教科担当にノートの書き方や苦手分野の克服の仕方など、学習の取り組みについて語ってもらったりすることで、学年全体として「5教科型学習へのシフトチェンジ」の機運を盛り上げていきたい。
無理をすること、 失敗することから学ばせる
生徒が5教科型学習にすぐに移行できるとは限らない。しかし、だからこそ5教科型の学習ができるように自律的に生活をコントロールし、志の高さに見合った生活自助努力を継続させたい。その結果「できた」という小さな達成感を大切に指導し、「できなかった」ことは何が原因であるのかを生徒と分析することで、その克服に向けてとるべき具体的なアクションもはっきりする。3年生0学期の失敗経験も生徒の自立を促す上で貴重な糧となるという視点を持って指導したい。
高校の「学びの醍醐味」を 追求する
5教科の学びに真剣に取り組むことで、それまで無関係に見えていた複数の事象が一瞬でつながったり、表層的な暗記にとどまっていた事項が深く理解できたりするようになる。背景知識が教科学習力を引き上げ、学問そのものが楽しく感じられる機会も増えてくる。知的好奇心を刺激する指導によって生徒の主体性を徐々に引き出し、高校での学びの醍醐味を体感し始める好機として3年生0学期をとらえたい。
活用後のフォロー
◎最近の生徒は一度成績が下降すると、「まだ入試までに時間がある」と教師が声を掛けても、高い志望を持とうとしなくなる傾向がある。あきらめさせず、3年生0学期に5教科をしっかり学習させることは、実際に3年生に進級した時、掲げた志望に対するこだわりを強化する意味で重要になる。ただし、一度説明しただけでは、すぐに学習スタイルを改善できない生徒は多い。教師の働きかけが効果として生徒の行動に表れるまでには、2、3か月かかることもある。3年生4月を見越し、粘り強く指導していくことが重要だ。中期的展望に立って、学習記録や面談などでこまめに確認していきたい。
今回のテーマと関連する過去のバックナンバーも併せてご活用ください!
●2007年12月号 「2年生を受験生にする「3年0学期」の意識付け
●2008年12月号 「2年生冬休み前後の学習習慣の定着

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