特集)学力下位層の拡大にどう向き合うか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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1、2年次の進路検討会で学力層別の対策を検討

 学力層の拡大を防ぐには、学年団が常に生徒の状態を把握することも重要になる。学年団で学力層ごとの課題を共有し、そのための解決策を考える取り組みが、1、2年次の進路検討会だ。
 生徒一人ひとりについて、志望大の合格可能性を検討し出願校を絞り込むという、通常の進路検討会を行うのは3年次のみ。1、2年次では、年5回、クラスごとに進研模試の成績上位者・下位者各10人と、前回の模試から大きく成績が下がった生徒について、現在の学習状況や志望などの状況を学年団で共有する。
 成績下位者については、固定化させず、中位に引き上げていくことが課題となる。家庭学習時間を見ながら、「なぜ成績が上がらないのか」「どのような志望を持っているのか」「志望が決まっていないから、下位に甘んじているのか」「意識を高めるにはどのような志望を持たせたらよいか」など、本人の志望や適性、家庭学習時間などを総合的に見ながら学力向上の方策を練る。
 成績上位の生徒については、旧帝大を狙える生徒を発掘し、トップ集団を形成することも狙いだ。生徒一人ひとりに適した志望を実現するための方策を徹底的に探っていく。
 「生徒の中には、たとえ旧帝大を狙える力があっても、『地元の国公立大で十分』という意識を強く持つ者もいます。生徒の意識をより高めていくための継続的な働き掛けが必要です。そのため、1、2年次にも進路検討会を行い、学年団で生徒の情報を共有しておくことには、大きな意義があるのです」と、両先生とも強調する。

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