指導のスタンダード化を図る布石は、着々と打たれている。08年度に1学年担任だった木村恵男(しげお)先生は09年度に1学年主任となり、前年度の取り組みを継続させると共に、生徒の実情に応じて、新しい取り組みを加えた。
課題の提出率が前年度より低かったため、国数英の課題の提出状況を月単位で表にまとめて一人ずつチェックし、最後まで提出しなかった生徒と個別面談をした。また、前年度の反省を生かし、学習時間が減り始める夏休み明けの授業では、4月に行った予習・復習の仕方を振り返る場を教科ごとに設けた。木村先生は、これらの取り組みの意図を次のように説明する。
「前年度と同様の取り組みだけでは対応できないと感じました。プログラムに縛られず、生徒の現状に合わせて臨機応変に対応することが大切だと思います。前年度に、一つひとつの取り組みをしっかり効果検証したので、どの時期にどのようなことが起こるかを把握できました。先手を打ち、学習法の再徹底ができたことが、非常に効果的でした。体系化された導入期指導のRプログラムがあってこそ、このようなことができると思っています」
9月には、7月の模試結果を基に偏差値帯別に6グループに分けて集会を開いた。過年度に比べて模試の結果が芳しくなかったためで、グループに応じた学習法を指導し、学習意欲の醸成に努めた。導入期指導が、形骸化せずにうまく継承できているのは、単に前年度の取り組みを踏襲するだけでなく、生徒の状況に応じて改変を加えているからだろう。
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