指導変革の軌跡 宮崎県立高原高校
VIEW21[高校版] 先生方とともに考える 新しい進路指導のパートナー
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目標に向かう粘り強さで介護福祉士合格率が8割を超える

 新しい試みも積極的に取り入れている。3年前に導入した「進路テスト」もその一つだ。就職試験で問われる一般常識を身に付けさせると共に、1年生から実施して早期に進路意識の醸成を促すことが狙いだ。テストは、学年ごとに使用するテキストからあらかじめ出題範囲を伝え、年9回、朝のSHR後の30分間で行う。成績優秀者は年度末に表彰し、漢字テスト同様に生徒の自己達成感を高める。
 一連の取り組みによって、学習に対する生徒の態度は徐々に好転してきている。保護者から「中学時代には全く勉強をしなかったけれども、高校入学後は自分から机に向かうようになった」という声が寄せられるようになった。また、企業への内定者も徐々に増え、08年度は進路決定率がほぼ100%となった。福祉科では介護福祉士の合格状況が好調で、合格率は07年度が75%、08年度は83%を超えた。家庭学習の習慣化や各種テストの効果が表れているといえそうだ。福祉科の菊知一惠先生は、次のように述べる。
 「07年度の合格率が高かったため、08年度に受験した生徒は相当のプレッシャーを感じていたようです。『先輩には負けられない』という強い思いで受験に臨んでいました。小中学校時代にはほとんど勉強しなかった生徒たちが、資格取得という目標を持って勉強を続けることで、自信を深めていく姿は忘れられません。生徒たちの頑張りが、我々教師にとっても励みになっています」

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