指導変革の軌跡 鳥取県立鳥取中央育英高校「小中高連携」
徳住彰啓

▲鳥取県立鳥取中央育英高校

徳住彰啓

Tokuzumi Akihiro
教職歴23年。同校に赴任して7年目。教務主任。「将来、キラリと輝いている自分を思い描いて今を頑張ってほしい」

前田幸男

▲鳥取県立鳥取中央育英高校

前田幸男

Maeda Yukio
教職歴11年。同校に赴任して5年目。進路指導部。3学年担任。「感謝の気持ちが行動の原動力」

VIEW21[高校版] 先生方とともに考える 新しい進路指導のパートナー
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小中高12年間を俯瞰する自学自習の在り方を提示

 小中高合同で作成した、国数英理社の家庭学習のポイントをまとめた冊子「家庭学習の手引き」(図1)は、「学ぶ力」の育成を目指した取り組みだ。小中高各校で教科ごとに家庭学習でしてほしいことをまとめ、代表者2人が持ち寄って合同編集会議を開き、12年間の連続性を加味して修正を加えた。編集会議は8回に及んだ。最も苦労した点は、どのように小中高の連続性を持たせるかだ。そこで、小学校では「学習習慣を身に付ける」、中学校では「学力を支える『予習』『復習』『自学』の3本柱」、高校では「『予習↓授業↓復習↓演習』の「黄金の4サイクル」を確立する」と連続性のある目標を設定し、それを軸に各教科の内容を詰めていった。
 学校段階に応じた保護者の役割を明記したことも、特徴の一つだ。「温かい励ましの言葉や助言でやる気が増します」(小3・4年生)、「親としての姿を見せ、自らの経験を伝えることも大切」(中学校)、「子どもの進路に積極的にかかわってください」(高校)など、子どもとのかかわり方を具体的に記した。これに対する、保護者へのアンケート結果では、「家庭学習の大切さが理解できた」は97.5%、「小中高のつながりがよく理解できた」は92.7%(共に1年生の保護者)と手引きの効果がうかがえる。  冊子の共同制作は、各学校の教師にとって、自分たちにない視点に気付く機会となった。
 「小中の先生と意見交換をしながら制作することで、さまざまな気付きがありました。例えば、『この冊子を目に付くところに張り、常に確認出来るようにしよう』と指示を入れることや、『ここは向ケ丘レインボープランをイメージさせる虹色の配色にしよう』など、小学校の先生のきめ細かな目配りには本当に驚かされました」(前田先生)
図1:12年間を見通した『家庭学習の手引き』算数・数学の例

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