生きたデータの徹底活用 次年度につなげる総括・引き継ぎと3年生からのデータ収集
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
「協力してほしいこと」を一覧化して卒業生に配布する
夏休みの進路相談や進路講演会など、卒業生の協力が不可欠な行事を実施している学校も多い。卒業生に特に来校してほしい時期、行事を一覧表にまとめ、卒業前に配布しておきたい。後輩の役に立ちたいと思っている卒業生にしてみれば、来てほしい日を学校側から事前に連絡してもらえれば、協力もしやすくなる。また、「この大学・学部の卒業生に集まってほしい」など特定の生徒の協力が必要な場合は、卒業式前に直接依頼しておくようにする。
在校生に役立つ情報を意図的に収集する
卒業生の本音、生の声は、高校生の意識を知る上で非常に重要な資料になる。しかし、在校生の指導に生かすという観点から考えれば、あまりに個人的な体験や、偏った意見は利用しにくい。アンケートで情報収集する際には、在校生の参考になるような回答例を示したり、「後輩が予習復習の大切さに気付くようなアドバイスをしてほしい」「模試の復習の重要性を理解させたい」「早く志望校を決めることのメリットを強調してほしい」など指導の狙いを明記しておくとよいだろう。
進路指導部用メールアドレスで一元管理
多くの場合、卒業生と教師の個人的なつながりで情報収集をしているようだが、中心となる教師が異動すると、卒業生からの情報収集も停滞してしまう。「学校全体でのデータの蓄積」「多忙化の抑制」「個人情報の管理」などを考えると、進路指導部用に固定のメールアドレスを取得し、特定のコンピューターで一元管理するのが望ましい。年度途中で卒業生にアンケートを実施したい時や、協力してほしい行事への参加を促す時などにも、進路指導部のメールアドレスから案内を送付する。
活用後のフォロー
◎卒業生が3年間を振り返ったデータ、更に大学進学後の体験などをしっかり収集しておけば、かなり有用なデータが作成できる可能性が高まる。卒業生のアンケートなどは、3年間の指導を見通した上での学校全体の情報収集として実施する方が効果的かつ効率的だが、それが困難な場合は、いくつかのクラスや何人かの生徒だけでも実施してみるとよい。そこで得たデータを他の教師とも共有することで、「卒業生のデータを今後も蓄積していくことの重要性」が意識付けられ、学校としてのデータ活用に対する意識が高まるだろう。
今回のテーマと関連する過去のバックナンバーも併せてご活用ください!
●2006年4月号 「入試結果データの見せ方
●2009年2月号 「1年生春休み前後の学習意識の向上

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