授業内容を定着させるための「さよならタイム」 |
「さよならタイム」は、月・水・金曜の帰りの会のあと、下校時間まで行われる個別学習の時間だ。
月曜と金曜は、すべての子どもが自分に合った算数の課題に取り組む。授業中にミニプリントの問題が全部できた子どもは、自分の課題として基礎・基本定着プリントや発展問題プリントから選んだ1枚に取り組み、できたら下校する。
ミニプリントで解けない問題があった場合は、先生が用意したプリントがわかるまで取り組む。たいていは授業と同じプリントだが、それ以前に学習した単元でつまずいているときは、先生がその内容の基礎・基本定着プリントを選んで渡すこともある。
「さよならタイムはときどきめんどくさいときもあったけど、がんばったら勉強がよくできるようになりました」
「学校を休んだりしたから、わり算の筆算がむずかしかったけど、先生にヒントをもらってできるようになりました」
子どもたちの感想文からは、「できる」ようになった達成感がうかがえる。 |
前学年の内容を定着させる「チャレンジタイム」 |
毎日の授業で学ぶ内容を確実に身につけさせる「さよならタイム」に対して、前学年の内容を定着させ次の学習に備える時間が、毎週火曜の6時間目(低学年は5時間目)を使って行われる「チャレンジタイム」である。
「チャレンジタイム」で子どもたちが取り組むのは、計算領域の問題を単元別にまとめた「基礎・基本定着プリント」。神辺小オリジナルの教材だ。職員室前の廊下にある専用棚には、1学年に約20種類、全学年で150種類以上のプリントがいつでも取り出せるように用意されている。 |
▲写真4 職員室の前にある基礎・基本定着プリント専用の棚
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毎年4月に前学年の診断テストが行われ、その結果をもとに、子どもたちは自分の力が十分でない単元のプリントを棚から何枚かまとめて持っていく。全部合格している子どもは、「発展コース」の授業で取り組んでいた発展問題プリントに取り組む。
「チャレンジタイム」は自学・自習が基本だ。プリントの裏には筆算の答えを導くプロセスまで書かれた手書きの解答(図8)があるので、答え合わせと間違い直しは自分でできる。90点以上なら合格だ。採点結果は、専用カードに記録し、時間の終わりに先生に提出する。 |
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先生は、つまずいている子どもへのアドバイスに時間をかける。さらに前の学年のプリントを用意することもある。
「さよならタイム」と「チャレンジタイム」を始めて2年目。県の到達度テストでも「数と計算」領域の定着率は伸びており、先生は手応えを感じている。 |
▲図4 さよならタイムとチャレンジタイムの週時程表上の位置づけ
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