ベネッセ教育総合研究所
太宰府市立学業院中学校
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IT教材を生かすための課題
IT教材を生かすも殺すも先生しだい
 今後、どのようなIT教材を使って「よい授業」を展開していけばよいのだろうか。石井先生は次のように説明する。
 「従来のビデオ教材も基本的には見せたい部分を見せるという点では同じですが、IT教材はデータですから、切ったり貼ったり、好きな部分から再生したりできます。著作権をクリアすれば、児童の発表などにも活用できます。非常に汎用性が高い。ビデオだとそうはいきません。時間や空間の制約から解き放たれた便利なこの教材を、一人ひとりの教師がどう取り込んでどう料理をするか、これがよい授業をするうえで大きな問題になります」
 五城小学校の現在の課題は、IT教材をだれもがさっと使えるという状況ではないということだ。ノートパソコン、無線LANも完備され、ハードの面では恵まれた環境といえる。多くの先生が情報教育の研修に出席し、ふだんの学級活動でも、子どもたちが掲示物作成にパソコンを活用している。
 しかし多くの先生は、まだ授業のなかにIT教材を組み込んでいない。いまは石井先生が校内の先生にIT教材を使った授業をアピールしているところだ。今後IT教材の特性をつかみ、子どもの理解を助ける方法を考えていくことで、これまで以上によい授業を行うことは可能だと石井先生は考えている。
 「IT教材はスーパーティーチャーではありません。生かすも殺すも使う先生しだい。これまでの教材にプラスアルファした、ちょっと使える教材・教具だと考えるべきでしょう。だから、授業では『どの場面で、どのような働きかけをすると子どもはわかるのか』ということをしっかり考えれば、とても効果的に使用することができます。そのためには、これまで以上に教材研究を行う必要がありますが、それはIT教材を使うためというよりも、よい授業を行うために必要なことだと私は思います」


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