ベネッセ教育総合研究所
愛知県小牧市立小牧中学校
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IT授業の課題
技術の個人差にどう対応していくか
 今回の授業は「詩を書く」という国語学習の一環ではあるが、ローマ字入力の仕方を覚えることが主な目的だった。そのねらいを岩崎先生は次のように語る。
 「教科指導とうまく組み合わせて、パソコンの技術習得をしていくことができればベストです。ただしいつもそうできるわけではないので、今回のように技術の習得に重点を置く時間を持たなければいけません。4年生では国語でローマ字を学習するのでローマ字入力というように、その1年でどんな活動をするのか、どんな力を身につけるのか、しっかり年次計画を立てることが重要になります」

(1)スキル習得のために6年間の目標を立てる
 パソコンの技術習得の計画を立てるためには、6年間でどのように技術を習得していくかの大きな目標も必要だ。昌平小学校では、6年間のパソコンスキルの目標を大まかに次のように定めている。
●低学年…パソコンに慣れて抵抗感をなくし、どんなことができるのか、そのおもしろさを実感する。(キーボード入力は行わない)
●中学年…キーボードで文字入力を行い、「手紙」を作ったり、動画、ネットワークといったパソコンの可能性を知る。
●高学年…実際にメールを交換したり、パソコンによるプレゼンテーションの技術などを授業に生かしていく。
 したがって、今回の授業のように文章を丁寧にキーボードで打ったり、レイアウトを整えるといったスキルが、高学年で活用する技術につながっていく。

(2)個人差を補うITサポーター
 しかし、実際には非常に入力の速い子がいるかと思えば遅い子もいて、個人差は大きい。授業でどのようにフォローしていけばよいのだろうか。 「家で日常的にメールを書いたり、チャットをしたりしている子はとても入力が速いですね。4年生でも、できる子とそうでない子の開きはかなりありますから、授業で子ども一人ひとりがどこでつまずいているかはしっかり見るようにしています。どれくらいの速さで入力できていたか、どこで悩んでいたか、どこに意欲を持って取り組んでいたか。こうした評価を丁寧にしていくことが、今後どのように支援していくかという指標になります」(岩崎先生)
 そうした丁寧な指導を支える存在がITサポーターだ。岩崎先生も山本さんと授業の相談をしながら進めている。わかる子とわからない子の差が大きいなかで、パソコン操作の質問やトラブル対応を引き受けてくれるITサポーターのおかげで、先生が授業に専念できる環境はできあがりつつある。


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