ベネッセ教育総合研究所
愛知県小牧市立小牧中学校
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ITスキルがもたらす効果(1)
双方向のやりとりが「書く」ことへつながる
 昌平小学校では恵まれたIT環境を生かしてIT教材を積極的に授業に取り入れている(注2)。
 岩崎先生が活用しているソフトの一つが、双方向コミュニケーションによる共同学習支援ソフト「スクールイントラパック3」(注3)だ。

注2
 東京都千代田区のIT施策 千代田区ではブロードバンドスクールの構想を取り入れ、区内の全小・中学校に光ファイバーのインターネット通信網が整備され、校内には無線LAN環境が構築されている。また、すべての小・中学校に40台のノートパソコンが配置され、子どもたちに1人1台の環境を提供している。


注3 スクールイントラパック3 ネットワークを活用し、コンピュータによる双方向コミュニケーションと創造的学習活動を支援するベネッセの共同学習支援ソフト。学校行事の思い出記録づくりや学校の活動を校内外に発信するコーナー、教科のまとめ学習で使えるコーナーなどが用意されているほか、学校ごとの活用に合わせて仕様を変更することが可能になっている。

 「スクールイントラパック3」は、学校ごとの目的に合わせた仕様変更が可能な自由度の高いソフトだ。岩崎先生はこれをリレー作文のようなかたちで活用している。
 臨海学校や運動会の写真とタイトルを先生がアップする。それにに対して子どもたちが「このときは楽しかった」「おもしろかった」といった感想を書いていく(写真4)。
写真
▲写真4 昌平小学校の「スクールイントラパック3」の画面。
先生がアップした写真とタイトルに合わせて、子どもたちが感想を書き込む
 ネットワークでつながっているので、他の子の感想をお互いにすぐ読むことができる。さらに、他の子の書いた感想にコメントを返すこともできる。
 「スクールイントラパック3を使うねらいは、これまでは国語の時間に作文で書かせていたことを、入力の練習も兼ねてパソコンで行うことです。また、友だちが書いたものがすぐ読めて、自分も書き込めるというパソコンの双方向の機能も知らせたかったんです。短い作文を書いてリレー形式でつなげていくというのは、国語でも経験していることで、その発想に基づいています」(岩崎先生)
 このような実践は、教科学習とパソコンの技術習得を併せて行っているといえる。従来であればサインペンで模造紙に書いて黒板に貼り、それに対してまた模造紙に書いていたものが、より簡便に達成できる。そのことで子どもたちの反応もよくなった。
 「一つには目先が変わって喜んだということがあります。それに加えて、リアルタイムで画面に自分の感想を書き込むことができて、他の友だちのものもすぐ見ることができるということが、子どもたちのやる気につながったと思います。子どもによっては鉛筆だとなかなか書くのが進まないけれど、パソコンでは書けるという子がいます。もちろんその反対の子もいますけれど。こうした試みは、自分にあったツールを見つけるという意味がありますね」(岩崎先生)


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