教える側もパソコンに振り回されないように |
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次ページで紹介するのは、山田先生による「ホームページの正しい見方」の授業だ。
インターネットを家で見ることができる環境にある子どもは、山田先生のクラスでは3分の1程度。
「今回使用した教材が、本来、5、6年生向けであることもあり、3年生がどの程度意欲的に取り組めるかは不安がありました。難しいとは思いましたが、今回は導入としてやってみました」(三町先生)
授業後の感触はどうだろうか。「今回使った『はむはむホームページ』(注1)は、インターネットのマナーやルールを勉強するために、一見、環境問題のホームページの体裁をとった疑似ホームページです。そのため、環境の勉強と勘違いし、本来伝えたかった『インターネットとはどのようなものか、どんな危険性があって、どういう対応をすればいいか』といったネチケットについて、3年生がきちんと考えられるか心配をしていました。しかし子どもたちの反応を見ると、理解できていたと思います。普段はパソコンの操作自体に熱中することもよくあるのですが、『こわい?』の問いかけに『こわいので、注意する』と答えるなど、真剣に授業の内容に入り込んでいたと思います」(山田先生) |
注1 はむはむホームページ ベネッセコーポレーションの運営する小・中学校の授業支援サイト「School Online for Kids」(http://www.teacher.ne.jp/school/index.html)のコンテンツの1つ。インターネット上のマナーやルールを学ぶことができる。 |
パソコンという道具の危険な側面をこの時点で教えることができれば、今後、教科の調べ学習などにもパソコンが利用しやすくなる、と山田先生は語る。
ただし、「どのようなことでもIT教材を使おうというのではなく、学習のねらいにあったIT教材やコンテンツがあれば取り入れていこう」と考えている。「パソコンはあくまでも道具、それに振り回されない」という原則は、子どもに伝えるだけでなく、先生たちも気を配っていることが伝わってくる。
「教える側が良い点・悪い点を洗い出して、より詳細に活用の仕方を考えていく予定です」(三町先生) |