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「人間性」と「論理性」を育成する理科教育
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石井先生はまた、授業では理科的な知識を身につけさせるだけでなく、それを通じて人間的な資質を育てているという意識も忘れてはいけないと話す。
学級全体でさまざまな仮説を立て、実験を通して自分たちの力で考えを再構成していく九段小学校の授業づくりは、主体的に問題を解決する力や論理的にものごとを考える力の育成ばかりでなく、友だちに働きかけたり、お互いの考えを受け入れたりする人間関係の形成も視野に入れたものだ。
「そもそも科学とは、協働でつくり上げていくものです。学び合い、かかわり合う豊かな人間性は、科学的なリテラシーの基盤でもあります」(石井先生)
九段小学校の木村昭延校長も、心の教育と理科教育の関連性を次のように話す。
「理科教育には、自然や生き物などとのふれあいを通し、豊かな人間性が育てられるという側面があります。当校では理科教育の一環として、校内の自然環境を整えることにも力を入れています。動物や植物を育てることを通して、児童にやさしさが出てきました。道徳教育ともリンクさせ、今後も重視していきたいと考えています」
理科という教科を通して、子どもたちの「考える力」と「豊かな人間性」を磨く。九段小学校で見られる子どもたちの伸び伸びとした表情は、今後の理科教育の方向性を示唆しているといえよう。
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