日常の指導案の中心は、緻密な「板書計画」と「主要発問計画」だ。どのような板書にすれば子どもたちが理解できるか、どの時点で、どのような発問をすれば子どもの思考力・表現力が高まるか。弥生小では、指導案の中に板書計画まで記述することで、より授業に近い形での検討が進む。これらのポイントにおける工夫が、指導案では重点的に確認される。指導案を書く側、助言する側、双方ともに着実に「授業力」がつくという。
一方、問題解決学習を行うには、子どもの基本的学力がベースになることは言うまでもない。弥生小はこの基礎基本について、次のような取り組みを行っている。
(1)朝の読書タイム(毎朝10分)、ボランティアによる読み聞かせ(全学年学期に2回、各45分)…聞く、読み取るといった基本的資質を育てる。
(2)学期初めの漢字・計算復習テスト…前学期(1学期は前学年)の範囲の漢字・計算テストを行い、子どもたちがどこでつまずいているかを把握し、フォローにつなげる。
(3)学力保証日(毎週金曜5、6時間目)…漢字、計算力など、定着していない基礎学習の部分を振り返り、補充していく時間。学年によりどちらかの1時間を利用する。
(4)少人数制の授業(算数)…重点単元や操作を行う必要のある単元、計算力をつけたいときなどに、クラスを2つに分けて授業を行う。この際、自分の考えを「書く」「操作する」時間と教師の支援が、十分に保証されるように考慮している。
このような方法で各教科の基礎学習をしっかり定着させることが、図1に示された「であう」→「つかむ」→「さぐる・つくる」→「ふりかえる」→「いかす」といった問題解決学習の過程をよりスムーズに進めていくカギとなる。
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