ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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家庭の協力が、子どもの学力を伸ばす

 弥生小では、保護者が子どもの様子を見に学校を訪れることができるようにと、別の参観行事がある月を除いて、月に一度は、学習参観と保護者懇談会を行っている。先生たちは、この学習参観日に向けて、全学年の参観授業の進め方、保護者に見てほしいポイント、日々の子どもの様子、トピックスなどをまとめた資料を全校分で約50ページ毎回作成している。(図3)

図3
■図3 学習参観・懇談会資料
資料には全クラスの授業の概要が入っている

 このほか、年に2回、土曜日午前中の「全日公開日」も行われる。加えて今年度から、福岡市が始めた「学校公開週間~スクールデイ」(11月の1週間、学校を地域に向けて公開する)も始まった。このように保護者が学校に触れる機会を多くし、家庭との連携を強めている。
 こんなに頻繁に授業を公開すれば、指導案や保護者向けの資料の作成など、教師の負担も当然増える。教師側に抵抗感はないのだろうか。
 「最初は、やっぱり抵抗感はありました」と中村恭子校長は認める。そこで、毎時間全力投球しようとする先生たちに、「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない」と声をかけたという。
 「その日だけ子どもがおとなしくてきちんと授業が進んでも、それでは保護者にお見せする意味がない。教師の日々の大変さをわかっていただくためには、ありのままの姿を見せることも大切です。そのような姿勢があってこそ、日々の取り組みを大切にしなくてはという意識につながっていくはずです」
 04年度の教師の合言葉は「魅力ある参観、魅力ある懇談」。教務主任の鍋島直明先生は「家庭での協力をお願いするには、懇談会は大きな機会です」と語る。一般的には学年が上がるにつれて保護者の参加が少なくなりがちだが、資料作成など誠意ある対応が実り、参観の人数が少しずつ増えているという。
 さらに、夏休みの家庭訪問の結果、保護者たちの家庭学習に対する意識も高まってきた。学校としては、教師が痛感している共通認識の大切さを、学校公開や懇談会、家庭訪問などの機会を通して保護者にも理解してもらうことで、学校と家庭との連携を今後とも深めていきたいと考えている。



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