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6年間を見通した系統的・段階的な指導計画を毎年作成
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早島小学校のIT教育は、コンピュータ教室を開設した1997年から始まった。現在では、小学校6年間の段階的・系統的な指導体制が確立されている。
指導の指針となるのは、情報技術の年間計画(図1)だ。ITサポーター(P.9参照)の原案を基に話し合い、教師からの要望・意見を反映させる形で、毎年作成する。6年間を通じて段階的にレベルアップを図れるようにしており、各学年の目標は次の通り。
●1、2年生…マウスやキーボードなどの基本的な操作方法を習得
●3、4年生…インターネットでの検索や文書入力、画像加工など、今後の教科学習に必要な情報活用技術の習得
●5、6年生…教科と結び付けた調べ/まとめ学習、作品制作。メールやチャットなどコミュニケーション技術とマナーの習得 |
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▼図1 06年度情報教育年間計画(一部) クリックすると拡大します
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こうしたスキルをベースにして、各担任が授業を進めていく。ITの授業には、内容によって国語や「総合的な学習の時間」、独自で設定したゆとりの時間を割り当てている。
今回見学した授業は、06年度初めて行われた2年生のIT授業だ。クリックやドラッグの仕方、矢印キーの動かし方など、基本的な操作法を習得することが目的。子どもたちは指示に従ってコンピュータの電源を入れ、指定のソフトウエアを起動し、早速課題に取りかかった(実録e授業参照)。
今回使用したソフトウエアは「@発見島」。「はっけんじまのなかまたち」をはじめ、スキル訓練のためのコンテンツは、パズルや迷路などのゲーム形式になっており、楽しみながら基本操作を覚えられるようになっている。子どもたちは特に戸惑う様子も見せず、説明を聴いているときも画面に向かっているときも、集中して取り組んでいた。2年生の担任の守屋秀子先生は「まずは合格点」と評価する。
「3年生から社会科や『総合的な学習の時間』(以下「総合的な学習」)でパソコンを使うようになるので、2年生の段階では、基本の操作を楽しく習得できればよいと考えています。今日はどの子も楽しそうに聴いていて、言われたこともちゃんとできていました」
実は、今年度他校から転入し、この授業で初めてパソコンに触るという児童がいた。授業前はしきりに不安を口にしていたというが、始まるとパソコンに触ったり、わからないことを質問したりして、ほかの子どもたちと同じようにスキルを習得していった。
「パソコンを使った授業は、スキルに差はあっても、意欲には差が見られません。教科学習では理解できないと『もうだめだ』とあきらめてしまう子どもも、パソコンの操作を介することで学習への意欲が高まっていると感じます」(情報教育担当・浅野雄一先生) |
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