学びが深まるIT活用 ITの活用促進の鍵

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 6/9 前ページ 次ページ

半数の子どもが初めて著作権を認識

 5年生の授業では、「総合的な学習」の調べ学習のツールとしてコンピュータの活用法を学ぶ。今回の授業の目標は著作権の理解。インターネットの利用時に必須の項目だ。
  子どもたちは前回の授業で、インターネットを検索して見つけた情報と写真を、ワープロソフトの記入用紙に貼り付けた(写真1)。子どもたちにそのファイルを見せながら、「消しゴムを借りたい場合、隣の子に『貸して』とお願いをして、『いいよ』と言われて初めて借りられる。インターネットも同じ」と、教師は具体例を挙げて説明する。
  「インターネットの情報は、何でも使ってよいと誤解している子どもがクラスの半数近くを占めていたので、機会を設けてきちんと指導することにしました」(浅野先生)
写真1
写真1 インターネットで調べた文字情報と画像をコピー&貼り付けしたファイル。最下段には子ども自身に引用元のアドレスを入力させた
  ネチケットの指導は子どもたちにとってはあまり楽しいものではなく、操作法の授業に比較すると関心は高くない。しかし、実際にコピー&ペースト(貼り付け)という機能の便利さを体験したあとのことでもあり、便利さの裏にある危険性に気付き、子どもたちは教師の話に真剣に耳を傾けていた。
  2年生、5年生の授業はいずれも教師とITサポーターがチームティーチングで、子どもの質問などに対応していた。しかし、担任1人でも授業できるよう、年間計画には指導内容や使用ソフトなどが明記されている。
  このような系統的な年間計画の作成が可能な背景には、これまでの蓄積に加え、ITサポーターの福家(ふけ)美知代さんが5年間継続してサポートしていることも大きい。
  「継続的なサポートにも支えられ、現在の体制が確立しました。本校の子どもたちは、卒業するまでに一通りのスキルを身に付けています」(入谷校長)

   PAGE 6/9 前ページ 次ページ