「『輝く学校づくり』の話を聞いたとき、最初は混乱しました。何をすれば本校の特色が出るのかわからなかったからです。ただ、子どもたちが地域や郷土に対して誇りを感じられるような取り組みをしたい。それに『開かれた学校』という言葉だけで終わるのではなく、地域と互いにキャッチボールができる題材は何かないだろうか……そう考えているとき、『猩猩』の存在が浮上しました」
東海市立名和小学校の滝上誠一校長は、「輝く学校づくり」が2005年に事業化され、テーマを立案したときのことを、こう振り返る。
「猩猩」は、名和小学校の地元、名和町の祭りで象徴的な出し物として親しまれている「張り子の大人形」(写真1)。祭りに集まった人たちを棒で叩いて練り歩き、福を呼び込むとされている。05年には地元の祭囃子(まつりばやし)保存会が「愛・地球博」で猩猩を紹介するなど、地域の人たちに親しまれている存在だ。 |