第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例3]岡山県 総社市立清音小学校

School Data

岡山県 総社市立清音小学校

1873年開校。旧清音村で唯一の小学校だったが、2005年3月に清音村と山手村が総社市と合併して総社市立の小学校となる。「快適環境の村」を宣言したほど自然環境に恵まれた地域で、学校周辺は田畑に囲まれ、のどかな雰囲気に包まれている。00年度より、地域社会との強い結び付きを生かした「総合的な学習の時間」の研究を推進する。

谷野博文

校長 谷野博文先生

児童数: 318人

学級数: 14学級

TEL: 0866-94-0103

FAX: 0866-94-1040

所在地: 〒719-1172
岡山県総社市清音軽部666-1

URL: http://www.kiyone-
es.soja.ed.jp/

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例 3】

岡山県 総社市立清音(きよね)小学校

学力調査を生かし授業研究の領域を絞り込む

清音小学校では、「総合的な学習の時間」の研究で
教科学力の土台となる「問題解決力」を築いた上で、
算数、国語と、順次教科の授業研究に移行した。研究テーマ決定の過程で、
学力調査を有効に活用している取り組みを紹介する。

学力調査で次なる課題が明らかに

 清音小学校は、2000年度から3年間、生活科および「総合的な学習の時間」(以下「総合的な学習」)の研究に力を注いだ(図1)。特に重点を置いたのが、問題解決力の育成を軸にしたプログラムの構築だ。その成果は、03年2月に5年生が受けた学力調査において学習意識調査の「生きる力」や「学びの基礎力」が全体的に良好で、とりわけ「問題解決力」に該当する項目が高いレベルを示したことで裏付けられた。教師たちはその結果を次のように感じている。
  「清音地区は自然豊かな地域で、保護者や地域住民とのつながりも強く、元々地域の教育力が充実しています。そんな環境を生かした取り組みの成果が、学習意識調査の数字として表れたことに、教師一同、報われる思いでした」
▼図1 清音小学校の授業研究の推移
図1
「総合的な学習」(00~02年度)の研究で学力の土台を築いた上で、算数(03~04年度)、国語(05年度~)の研究に着手した。03年度から年に1回、5年生対象の学力調査を受検し、学力の把握に役立てている
  その一方で、調査結果は新たな課題を浮き彫りにした。国語は概ね満足のいく結果だったのに対して、算数は「数学的な考え方」を中心に全国的な水準を下回る項目が多かったのだ。
  実は清音小学校では、03年度より校内研究の中心を「総合的な学習」から国語へと移行する計画だった。「総合的な学習」で培った指導や評価のノウハウを、国語に活用しようとしていたのだ。
  しかし、算数に明らかな課題が見つかった以上、放っておくわけにはいかない。清音小学校は、同様の課題がほかの学年にも共通するものなのかどうかを調べるために、02年度末の観点別評価を分析し直した。すると、すべての学年が「数学的な見方・考え方」に課題を抱えていることが判明した。その結果に教師たちは危機感を募らせた。
  「まずは算数の課題を克服した上で、国語の研究に移ったほうがよいのではないか――」
  学力調査の結果を受けて検討した結果、03年度からの校内研究は国語から算数へと変更された
●05年度の学力調査の受検状況
実施主体/ 総社市
実施時期/ 6月
対象学年/ 5年生
対象教科/ 国・算・学習意識調査

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