同時に、授業理解度についての自己評価を尋ねた図3についても確認しておきたい。すべての教科で、90年と比べて約6~12ポイント上昇しており、特に算数の伸びが大きい。
算数では多くの学校が少人数・習熟度別授業を導入し、これまで授業についてこられなかった児童へのフォローが十分に行えるようになったことが背景にあると考えられる。一方、そうした授業改善の効果と併せて、02年度からの新教育課程の学習内容削減の影響を指摘する慎重な見方もある。
今後の課題は、算数や理科と比べると数値が低めの、国語や社会の学習意欲や理解度を高めることだろう。比較的答えが明確な算数や理科に対して、国語や社会は正解が一つでないことも多い。算数の指導改善がある程度進み、最近は国語力向上を研究テーマにする学校も増えている。今後、これらの取り組みの効果が表れることを期待したい。
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