矢野 授業の質の更なる向上も課題です。本校では算数の理解度が上がりましたが、これはスキルアップの成果という側面が強い。ドリルや百ます計算などの繰り返し学習をすれば、だれでもスキルは上がります。ただ、それだけでは表層的な指導に終わってしまいます。「考える力」や「まとめる力」を伸ばせるような授業に深化させたいですね。
水野 本校の授業は基礎・基本が中心のため、授業中に発展・応用問題にチャレンジする機会が少ないのが弱点です。しかし、数学的思考力や知的好奇心は、評価の工夫でも伸ばせると思います。例えば、褒めるときに「100点を取れたね」ではなく、「その考えは面白いね」「別な方法で答えは出せるかな」と声をかけるなど、さまざまな観点から評価することが大切です。こうした引き出しの多さは、教師の指導力の大切な要素です。
永野 本校でも成績下位層の底上げはもちろん、上位層の意欲を高める環境づくりを目指しています。そのためには、授業が止まってしまう状況をつくらないことが大切です。習熟度別やコース別による授業に加え、進度が速い児童には別のプリントを用意するなど、一斉学習の中で個別対応を図ったり、学び合いを取り入れたりするようにしています。
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