特集 量から質へ―これからの学びを考える

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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思考力や意欲を引き出す授業への転換が必要

矢野 授業の質の更なる向上も課題です。本校では算数の理解度が上がりましたが、これはスキルアップの成果という側面が強い。ドリルや百ます計算などの繰り返し学習をすれば、だれでもスキルは上がります。ただ、それだけでは表層的な指導に終わってしまいます。「考える力」や「まとめる力」を伸ばせるような授業に深化させたいですね。

 

水野 本校の授業は基礎・基本が中心のため、授業中に発展・応用問題にチャレンジする機会が少ないのが弱点です。しかし、数学的思考力や知的好奇心は、評価の工夫でも伸ばせると思います。例えば、褒めるときに「100点を取れたね」ではなく、「その考えは面白いね」「別な方法で答えは出せるかな」と声をかけるなど、さまざまな観点から評価することが大切です。こうした引き出しの多さは、教師の指導力の大切な要素です。

 

永野 本校でも成績下位層の底上げはもちろん、上位層の意欲を高める環境づくりを目指しています。そのためには、授業が止まってしまう状況をつくらないことが大切です。習熟度別やコース別による授業に加え、進度が速い児童には別のプリントを用意するなど、一斉学習の中で個別対応を図ったり、学び合いを取り入れたりするようにしています。

矢野英明校長

神奈川県 相模原市立富士見小学校
住宅地等の開発による校区への転入者増加に伴い、02年に新設された。家庭環境の違いが広がっており、保護者の教育への意識の差も大きくなってきている。02年から3年間、文部科学省学力向上フロンティアスクールに指定され、算数の研究に着手。少人数授業や習熟度別授業、チーム・ティーチング、教材研究など、多角的に取り組んでいる。

所在地 〒229-0036
神奈川県相模原市富士見2-4-1
児童数 870人
学級数 24学級
URL http://www.sagamihara-fujimi-e.ed.jp/

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