地方分権時代の教育行政 福岡県北九州市
福岡県
北九州市立小倉中央小学校

1991年、米町小学校と小倉小学校を統合して開校。JR小倉駅から徒歩約15分の、市の中心部に位置する。教育目標は「自ら正しく判断し、人間性豊かな、心身ともにたくましい児童の育成」。

 

校長●白川峯生先生
児童数●395人
学級数●14学級
〒802-0005
福岡県北九州市小倉北区堺町2-4-1
TEL 093-521-1079
FAX 093-521-0492
URL http://www.kita9
.ed.jp/kokurachuo-e/

白川峯生

▲北九州市立小倉中央小学校校長

白川峯生

Shirakawa Mineo

里 静雄

▲北九州市立小倉中央小学校教頭

里 靜雄

Sato Shizuo

上野順三郎

▲北九州市立小倉中央小学校教諭

上野順三郎

Ueno Junzaburou

高城直子

▲北九州市立小倉中央小学校教諭

高城直子

Takajou Naoko

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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[実践事例]

福岡県 北九州市立小倉中央小学校

英会話体験学習を通して
外国人と話す積極的な姿勢を育成

子どもの関心に合わせてプログラムをアレンジ

 小倉中央小学校で、6年生の英会話体験学習の授業が始まった。この日は文房具店での買い物を想定したやり取りの練習だ(写真1・2)。
  「May I help you?」
  外国語指導助手(ALT)のあとに続き、子どもたちは足でリズムを取りながら復唱する。消しゴムやペン、筆箱などが描かれたカードが差し出されると、すぐに手を挙げて見事な発音で答えていく。英語に対する抵抗感はもちろん、ネイティブ・スピーカーのような自然な発音への照れも一切ない。担任の高城直子先生は「英語を耳で聴くことを3年生から積み上げていますから、上手に聴き取ることができますし、臆することなく発音できます」と話す。

写真1
写真1 高城先生と子どもたちが文房具店の店員と客を交互に演じ、英語での買い物ができるようになったかチェックする
写真2
写真2 授業はALTと担任のチーム・ティーチング。「ワールドタイム」で英単語に慣れている子どもたちは、文房具の絵が掲げられると、次々と挙手し英語で答えていく

  市教委が作成した「小・中連携 英語教育プログラム」の中の指導案(図1)に沿って授業は進められるが、どのようにアレンジするかは事前に調整する。授業の2週間前に学年ごとに担任全員が集まり、授業内容についてALTと15分ほど話し合う。「単語の数を減らしてほしい」「子どもたちの興味があるテーマを入れてほしい」といった要望を反映させて、プログラムを修正していく。今回の授業でも、プログラムではハンバーガー店の設定だったが、前回の授業でも同じ設定だったため、文房具店に変更した。授業の直前にも、担任とALTが再度確認し合って授業に臨んでいる。
  「学年ごとの事前打ち合わせは15分程度しかできませんが(注1)、市教委のプログラムがあるため、効率的に授業内容を確認できるようになりました」(上野順三郎先生)
  指導の面でもプログラムの効果は大きいと里靜雄教頭が続ける。
  「以前は、担任が一歩引き、ALTに任せきりというケースもありました。しかし、プログラムがあるため、英語が得意でない教師も積極的にかかわれるようになりました」
  毎年夏休みに行われる市教委による研修会も、英語指導に不慣れな小学校現場を大きくあと押しする。
  「3日間の研修では、9時から5時までALTと接します。私たちが児童役になって英語でゲームをする場面では、授業展開によっては子どもたちが興味を示さないことを実感できます。既に研修を受けた教師には、ALTと各学年との調整役をしてもらっています」(上野先生)

▼図1 ▼クリックすると拡大します
図1
プログラムは、子どもたちの興味・関心に合わせて修正が加えられ、授業で利用される
注1:ベネッセ教育研究開発センター「第1回小学校英語に関する基本調査(教員調査)」でも、「ALTなどの外部協力者との打ち合わせの時間」について課題を感じる教師が約24%に上ることが明らかになっている

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