市教委が作成した「小・中連携 英語教育プログラム」の中の指導案(図1)に沿って授業は進められるが、どのようにアレンジするかは事前に調整する。授業の2週間前に学年ごとに担任全員が集まり、授業内容についてALTと15分ほど話し合う。「単語の数を減らしてほしい」「子どもたちの興味があるテーマを入れてほしい」といった要望を反映させて、プログラムを修正していく。今回の授業でも、プログラムではハンバーガー店の設定だったが、前回の授業でも同じ設定だったため、文房具店に変更した。授業の直前にも、担任とALTが再度確認し合って授業に臨んでいる。
「学年ごとの事前打ち合わせは15分程度しかできませんが(注1)、市教委のプログラムがあるため、効率的に授業内容を確認できるようになりました」(上野順三郎先生)
指導の面でもプログラムの効果は大きいと里靜雄教頭が続ける。
「以前は、担任が一歩引き、ALTに任せきりというケースもありました。しかし、プログラムがあるため、英語が得意でない教師も積極的にかかわれるようになりました」
毎年夏休みに行われる市教委による研修会も、英語指導に不慣れな小学校現場を大きくあと押しする。
「3日間の研修では、9時から5時までALTと接します。私たちが児童役になって英語でゲームをする場面では、授業展開によっては子どもたちが興味を示さないことを実感できます。既に研修を受けた教師には、ALTと各学年との調整役をしてもらっています」(上野先生) |