今回の調査によると、教師の約8割は「指導する自信がない」と答えています(図1)。英語指導を前提に教師になったわけではないので、これは当然です。研修の充実やALT(外国語指導助手)などの外部人材の確保、カリキュラム作成など、教師を支援する土台は、国や自治体が整備する必要があります。
先生方個人の意識としては、最初は英語を子どもと一緒に「学ぼう」と思えば、気が楽になるのではないでしょうか。授業には外部の指導者が参加することが多いので、それも可能です。そのうち、教師自身も英語を教えることへの抵抗感がなくなるはずです。ALTの訪問時には、積極的に話しかけてみてください。「この程度の英語で通じるんだ」という実感が得られ、きっと自信になるはずです。
また教員向けの研修は行政が整備すべき課題ではありますが、先生方個人でも今から準備しておくことは決してマイナスではありません。時間的に大変かもしれませんが、少しでも英語力を取り戻しておくとよいでしょう。
大切なのは、英語を「コミュニケーションの道具」として捉えることです。コミュニケーションとはそもそも曖昧なものです。英語を完璧に話せても意思疎通ができるとは限りません。身体全体を使い「こうすれば通じた」という体験を積むことで成長できるのです。
昨今、子どものコミュニケーション能力が課題になっていますが、英語を体感的に学ぶ授業は、コミュニケーションの楽しさを教えることにもつながります。子どもの社会性を引き出すきっかけにもなるのです。英語教育は、英語力を育てるだけでなく、教育そのものを活性化させる可能性も秘めているのです。
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