どうすれば子どもたちの確かな学力を伸ばすことができるか―。吾田小学校は、日南市が2005年度に学力向上拠点形成事業の指定を受ける前から、独自に学力向上の取り組みを続けてきた。「このデータを見てください」と、岡村安孝教頭が示してくれたのは、00年度からの全国規模の学力テストの国語と算数の経年変化を表したグラフだ。
「本校では毎年学力テストを行い、学年とクラスごとに結果を分析して指導改善に役立てています。例えば、国語で『話の内容を注意深く聞くことや、考えたことを自分なりの言葉で話すことが苦手である』という分析が出たときには、『大切なことをメモしながら聞く工夫や、わからないことや自分の意見を積極的に話す機会を、各教科全般で設ける』といった対策を立て、実際に取り組みました。テストの分析を踏まえた指導改善を続けた結果、以前は国語、算数とも平均を下回っていましたが、今ではどの学年も全国平均を上回っています」
吾田小学校では、生活面についての意識調査も学期ごとに行う。「学校は楽しいですか」「挨拶はできていますか」「どのくらい家庭学習をしていますか」といった質問を児童と保護者にし、数値が低い項目について対策を講じている。
また、吾田小学校では、課題ごとにプロジェクトチームを編成し、企画を提案する。「読書推進プロジェクト」「基礎学力定着プロジェクト」「習慣定着プロジェクト」など、さまざまなテーマがあり、各プロジェクトは3~4名の教師で構成されている。
「プロジェクトチームの提案で、さまざまな活動が定着しています。例えば、本校では、1時間目の前に『目覚ましタイム』としてドリル学習に取り組む時間があります。また、十分に習熟していない単元があると、学期末には習熟度別授業を展開しています。これらは、基礎学力定着プロジェクトチームの取り組みですが、各プロジェクトチームの工夫した取り組みにより、確かな学力の向上を目指しています」(岡村教頭)
|